長者が岳(1,336m)
外に出て富士山をみると、真っ黒な台形が、竜爪山の右っかわにぼったってる。これは、出かけるべしとて、山歩きの支度をする。
行く先は、富士山の向い山「長者が岳(1,3336m)」 前から登ってみたい山の一つだった。ところが、清水を過ぎると雲行きが怪しくなり、田貫湖(約660m)に着いたときは空一面低い雲。「まいったな~、天気予報も良かったのに。しょうがないか偵察だけでも」と登り始めたのが9時過ぎ。
山道は、いままで登った道の中で、一番と言って良いくらい登りやすい。尾根筋に沿って広々とし、傾斜もほとんど一定に、そして直線的に登っていく。
実は、これが悪かった。甘いカクテルのように飲み口がいいのに度が強い酒、おさえて登ろうと頭が言うが、足のほうは調子に乗ってトットコト~と動く、空のほうも次第に雲が切れ、日差しがでてきたなと思っていたら富士山が見え出した。これは調子が良い、足も調子が良い。
途中、休み場が二箇所ある、上の休み場当たりからつけが出てきた。心臓が蒸気機関車なみに「お山の中行く汽車ぽっぽ なんだ坂こんな坂、、」状態になってきた。もう、周りの植物など見て歩く余裕もない。休む回数を増やしながら、ようやく頂上についたのが、11時。なんと2時間の苦闘であった。
ところが、頂上について5分経つか経たないうちに、突然また霧が降りだしただした。まるで芝居の最終場面のように、千両役者が大見得を切ったところで、チョーンと拍子木が入って幕が閉じるように、富士山をはじめミーンナ姿を消したた。
「なに また晴れるさ」と高をくくって昼弁当にし、腰掛で30分ほど昼寝をして、おきてみたら、こわいかに湿ってはいないが霧が渦巻いている。山の神の機嫌を損ねたかな。登る時、ついでに天子が岳も廻ってと思っていたが、初めての山、ここは、ひとまず退散とて降る。
本日は、登り降り合わせて3時間半余、季節の変わり目か,めぼしい花もなく行き交う人も全然ない、貸切状態の山行きであった。
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