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2005年9月 3日 (土)

精進料理

精進料理というものを若いとき一度だけ食べたことがある。

女友達の手前、見栄を張ってその地方では有名な店に入った。若い者には場違いな所というのはすぐに分かったが、入った以上は仕方がない。

さて、精進料理の発祥は、生臭もの、命あるものを殺傷して食べない。ということにあるそうだが、豆腐 麦 山芋などを使って、肉や魚 鳥らしく見せかけてたべさせることでもあった。

ということは、見せ掛けでもいいから肉 魚 鳥を食べたいという欲望が抑えられない坊さんが考え出し、豆 麦 山芋は命のないものとして小細工をしたものであろう。

自分としては、目で見たものを口に入れて、全然違った味であることに不快を感じた。まだ、見たこともない格好で出された方がましだと思った。

もうひとつ、ちまちまとした器に少しづつ料理を入れてきて、食事をするそばで年増で上品そうな女の人が、これは何でどう作ったか、ついでに器がいかによいものかまで説明する。

そちらを見て相槌をいちいち打たなければならない。なんと面倒くさいものか。そして、仕上げはこの料理法を始めた坊さんの賛辞でしめくくられた。

自分がこの中で何よりも違和感を持ったのが、アメリカ人が牛や豚はいいが、鯨は駄目というところに似ている論法だったことである。

人間が生きていくためには、他の生物を殺して食べなければならない。これを仕様がないとすれば、きれいに食べつくすことが殺す量を減らすことになる。刺身のつまのようにほとんど食べることを想定しない食べ物をなくすることが、究極の精進料理と思うが、  是如何。

以来、40数年本格的精進料理は食べたことがない。

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