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2005年10月 5日 (水)

マリナ ブラデイ

P1010001 あさからシトシトとこぬか雨が降っている。

秋雨前線が、本州の南岸に沿って延びているせいだというが、音もなく降り続くというのはどこか演歌の世界をおもわせる。

重苦しいような空気の間を縫って、時おり庭に咲き出した金木犀の強い香りがフワッと漂ってくる。この花満開より咲き掛けのほうが強く香る、そして、この花の香りで思い出されることがある。

いまでは、知る人もいないだろうが「マリナブラデイ」と言う、アメリカ映画の女優がいた。自分が始めてみたヌード画面のある映画だった。

近頃では、この程度のヌードは内外問わず、茶の間のテレビ画面でざらに見られるシーンだが、当時はこのことだけで評判になり、見る前から期待と軽い興奮をしていたのを憶えている。

周りには、やはり若い男ばかり、その中でも自分が最年少なのではないかとか、知った人に会わないかとか、自分は異常にスケベ心が強いのではないかなどいろいろなことを考えながら、早く映画館が照明を落として暗くしてくれないかと願望しつつ、固い木製の椅子に身を沈めていた。

映画の筋書きはどうだったのか憶えていない。ヌードシーンも一瞬だったようにおもう。ただ、彼女が当時15歳だったというが、少し小太り(このころから細い女がもてはやされ、少し後になるが枯れ木のツイーギーが来日した)の少女だった、しかし、とても年下とは思えないほど成熟していたことが印象として残っている。

映画を見終わり外に出ると、夕焼けの始まった空と共に入るとき感じなかった金木犀の強い香りに、、、、、

むせるような青春を思い出させるものがある。

      空蝉に 香り映すか 金木犀   山人

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