ボジョレーヌーボー
子供の頃、奥山のめったに人が行かない所”猿酒”と言うものがあると聞いたことがある。
猿が山葡萄やサルナシ、マタタビなどの山の果実を木のうろに隠し、忘れてしまったものが自然発酵をして酒になっている、という寸法で、養老の滝伝説はこの続きだろう。だが、一度もお目にかかったことがないし、猿が物を貯めるという習性があるのかも知らない。
しかし、山葡萄が大量に取れたときなどは、潰して絞り、一升瓶に詰めておくと、正月の頃発酵し、その圧力でビンの蓋がボンッとはじけとび中身を噴だすことがあった、丁度その頃が飲み頃。アルコール分は有ったのかどうかは分からなかったが、少し薄め砂糖を入れてみんなで飲んだものだった。
今日は、ボジョレーヌーボーの解禁日だといって、テレビで騒いでいたが、日本が一番輸入しているとのこと、どのくらい積めるのか知らないがジャンボ機500機分も入ってきているという。
普通ワインというと2年以上は熟成し、古いものになると100年 150年もするものがある、ボジョレーヌーボーはどうかというと、フランスはボジョレー地方で取れた今年の葡萄を炭酸ガスで圧力をかけたりして造り、その年のぶどう酒の品質を商売人が確かめたことに始まるという。
日本に入ってきたのは、ワイン輸入メーカーなどが「フランスではこんなことをして楽しんでいますよ」という宣伝と便乗した業者に乗っけられたブームであるらしいし、ワインを水代わりに小さい頃から飲んでいる旧ローマ帝国圏内では、ヌーボーなんて騒いではいないし、まして、解禁だなんて期日まで決められ「日本が一番早くのめるんです」にいたっては何をか言わんであろう。
外国で流行っているというとすぐ反応してしまう人々。ちょっと、沸き立ちすぎではござんせんか?
これから、肌寒の季節、酒屋の暖簾をくぐり、「酒は静かに飲むべかりけり」なんて、ぬる燗を乙に構えるのもいいもんだよ。それとも、温泉に行って「浴衣の君は/ すすきのかんざし/ 熱燗とっくりの くびつまんで,,,,,,,,,,,]
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