カサコソカサと毛無山
富士宮の毛無山(1,945m)に登った。北アルプス笠が岳に穴毛谷という国土地理院承認のれっきとした谷がある。名前の由来はその名のとおりの場所が一番奥にあることから若者の人気の的であった。毛無山の名前の由来はどこにあるのか半ば期待して登ったが分からなかった。
毛無山の麓にその名も麓という集落があり、そこに車を止めて登り始めた。今回は標高差で、1100mほどあり、最近では破格の高さになると思いゆっくりと自制したつもりだったが、そうは行かなかった。
10分ほど行った所に直登コースと地蔵峠を迂回するコースがあり、迷わずに直登コースを選んだ。理由としては、膝の調子に自信がなかったので、降りを直登コースにすると段差が大きい場合衝撃がもろに来ると思ったからである。
不動の滝までは割合と簡単に登った、二段に別れてはいるが、落差は100mとか落ち口が紅葉に囲まれて、優雅に見える。
それから稜線に出るまでが長くてきつい道だった。幸いところどころに何合目という看板があるのと、静岡の山にしては珍しく植林がしてないため山道が明るく背中の富士が木の間から見える。それらが結構励みになった。6合目付近まで紅葉があったものの、それから先はほとんど枯葉状態、足元の落ち葉をカサコソと踏みしめて登っていると、割合近いところで”ヒューン”という雄鹿の声が聞こえる。
おくやまに紅葉踏み分けなく鹿の こえきくときぞあきは悲しき
猿丸大夫
登りりだしてから 2時間と少し稜線にたどり着く、そこからはゆるやかな登りのまま頂上に着く、南アルプスも見えるもののかすんでいるうえに遠すぎてはっきりしない。
頂上は一等三角点が設置してあり木も刈り払われ富士山が目の前に広がる。恒例の頂上飯と昼寝を決め込むが今日は、風が強くて冷たい、30分ほどで退散することにした。下で追い抜いた老夫婦も誰も上がってこない。
地蔵峠に向かって降り出してからすれ違う人が三組いた、この尾根筋は夏場に花の多いところと聞くが、今は全て枯れている。尾根筋を離れると降りは急になり、地蔵峠の看板のあるところまでは山梨側のカラマツが紛々と落ち葉を散らす。看板から10分ほどの所に本当の地蔵峠(磨耗しているので分からないが地蔵でなく道祖神みたい)があり、そこから再び急なくだりと分かり難い道を通って分岐点に戻った。休み時間を入れて5時間半の長旅になった。
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コメント
お疲れ様でした。
毛無山は、地蔵峠から登り、直登ルートを下ったことがあります。
投稿: ひかり | 2005年11月10日 (木) 18時32分