耳の日
古代の日本では、川に入って身を清めて不浄を祓うという習慣があったそうな。もちろん、旧暦の行事だから寒さも一段と柔らかくはなっているだろうけど、水に身を浸すにはまだ厳しいものがあり、身が引き締まったことと思う。
当時のことだからこれくらいで不浄も祓えただろうが、最近ではとてもとてもこの位では祓いようがなくなった。
そして今日は、語呂合わせで「耳の日」だという。
六朝時代というから、かなり昔のことになるが孫楚という人が「枕石漱流」というべきところを「漱石枕流」といって咎められたとき、「石で歯を磨き流れで耳を洗う」といったことで有名な文句になったと遠い昔学校で聞いた。
耳鼻科では耳を洗うということは、基本中の基本だと聞くが、耳を洗うことで嫌な話や音が消せるものなら、是非お願いをしたいところである。
職業性難聴は耳の奥で常にうなっているし、テレビではキャスターが分かったような口ぶりで、不祥事を面白おかしく騒ぎ立てている。
仙人は世俗を離れて身を清め、山奥で過ごしたそうだが意志薄弱な自分は世俗の隅から離れられない。といって「目をふさぎ、口をつぐんで、耳を覆う」日光の猿にもなれない身には耳鼻舌身など六根清浄とは言わないけれど、せめて耳だけでも清めたまえと祈るばかり。
耳の日に取りとめもなくしるす
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