鳥の囀る山 八丁段(1,562m)
5月15日、大札山駐車場に取って返したものの、まだ10時を過ぎたばかり、この調子なら先ほど山の頂上から見た向い山、板取山を目指して見ようとて車を山犬の段に向けて走らせる。(写真左はホーキ薙の地すべり)
走らせるとは言うものの、道は舗装されていない石ころガラガラの林道。とくに蕎麦粒山のすそを巻く部分がひどい、タイヤを気遣いながらゆっくりと進めた。
約5km行った終着点に山犬の段駐車場があり、先着5台。非難小屋を掃除に来ていたシルバーセンター派遣のおじさんに「いってらっしゃい」と見送られて、散り初めた小桜のの下をくぐって八丁段に足を向ける。
くもの巣が顔にかかるところを見ると、先着組みはすべて蕎麦粒山方面にむかったらしい。例によって、また一人山歩きを楽しめそうだ。
なだらかな道を15分ほどで分かれ道、ここから傾斜が変わり山頂を目指すことになる。この山は大札山が花の山だったとすれば、鳥の囀る山というべきか。
花はヤブデマリと銀嶺草ぐらいしか見えないが、ウグイス、駒鳥を主体にしてルリ、シジュウカラ、ヤマガラ、コノハヅクが遠く近くで入れ替わりに啼きたて姿を見せる。さらに、リスの追いかけっこまで見せて山道の舞台を盛り上げてくれ、それを楽しんでいるうちに、山頂近くの展望地に来てしまった。
八丁段の山頂(1,562m)は展望が利かないため、少し下った東側斜面でに開けた場所が作ってあり、足元の天竜川沿いと太平洋側を見下ろす休憩場である。
なだらかな山頂、はっきりとした三角点も見出せないまま、くだりに入る。まもなく”ホーキ薙”とよばれる、がけ崩れの脇を通る。
ホーキとはなんなのか、がけ崩れをどうして薙ぎというのかは不明だが、このあたり一帯は赤石山系の砂岩泥岩で出来ていて岩盤が脆弱な上、地層の傾斜で滑りやすい斜面を形成しているため、あちこちで地滑りを起こしている。
この山道も、すぐ脇に亀裂が入り近い将来の崩壊を予想させている。
15分ほどの、難所を抜け山腹周りの道と合わさってまもなく最低鞍部広川原峠(1,386m)につく、ここから、少し傾斜の急な山道を5分も登るとあとは散歩気分のゆるやかな山道にかかる。
約20分西側に大きく開けた頂上(1,513m)に到着。ここでも塩見岳小河内岳を中心に大無間山など南アルプスとその前衛が威張ってつったっている。
ここで11時半、昼の食事を取るが、汗をかいた身体には少し寒さがきつい、空は登り初めから曇って日も差していないので、20分ほどで我慢できず下山に向かう。
広川原峠傍から、山腹コースを使っての帰り道を取るが、この道意外と長くきびしい。結局は山越え以上に時間がかかると言うことは、それだけ大回りしていると言うことであり、進められない道のひとつであろう。
駐車場に戻ってみると、残された車は2台のみ、皆さん早々の退場らしい。
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