位牌岳を目指して
愛鷹山、昔は足高山と言ったそうだが、自分の推察ではその前を”悪高山”といって、地元では恐ろしい山と思われていた筋があり、その主峰を位牌岳と名付けたに違いないと思っている。
位牌岳、こんな名前の持つ山も珍しい。山の高さだけから見ると、その北側にある”越前岳の方が50mほど高いが、愛鷹山塊のほぼ中央にあり何処から登っても時間と困難さはピカ一である。
沼津から登って水神社を参拝したのが、朝の八時であった。ここは、桃沢川の源に当たり、豊富に湧き出る水を信仰の対称にしているお宮さんかと思っていたら、日蓮宗のお寺でもあった。
堂守りの人に聞くと、神仏混交の寺であると言う。他の宗派を排する日蓮宗にしては珍しいこともあったものだと感心したが、詳しくは聞かなかった。
一旦戻り、鎖を張った道をよけて、荒れた林道をひたすら登り、途中から池の平入り口と書かれたところから山道に入る。水神社から歩くこと1時間”池の平公園”に到着。途中の展望台を含めて下草を刈り木製の展望台が設えてあった。
何れも、晴れていれば箱根や伊豆半島が一望できると書いてあるが、下界は一面雲の下、展望も何もない。また、この公園、”池の平”というわりには、池の痕跡も見当たらない。こんもりとした尾根の高みである。昔はあったのだろうか?もう少し実勢に合った名前がほしいものである。
上を見れば、足早な雲が千切れ飛び、下からは霧が吹き上がって愛鷹山を、ベールで隠すように時おり見えなくする。
「静岡を出発した時は青空だったのに、これでは頂上はどうなるのか」と心配させる雲行きだ。
公園をはさんでの両側は、幅広く刈り込んではあるものの、細い竹やぶが密生しており、とても、もぐりこめる状態にはない。そして、何という名前の蝶か(胴が太いのでもしかして蛾)は知らないが、歩くにつれて飛び出し、乱舞状態になる。
10分ほど歩いた時点で”つるべ落としの滝”との分岐にでる、そこからは手入れの悪い山道になる、天気の様子から見て迷ったが、尾根づたいに登ることにした。
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