こまつなぎ
「もう、8月が済んじゃうの?早いことだね。静岡では一昨日で小学校の夏休みが済んだんだっていうよ、いつまでも夏ボケしてんじゃないよ」
「夏ボケなんてしてないよ、ただ、年がら年中しているだけだ、フン!」
秋もそろそろ見えてきた今日、麻機沼の東側へ足を延ばした。
ここは、近年になって(といっても40年くらいになるか)静岡の食品などを扱う問屋街、流通センターや、塵焼却場とそれに伴うプール施設、ヘリポートなどが出来て、趣が随分と違ってきた、ところである。
しかし、その北西側に遊水地をつくり、ついこの間までは蓮の花が結構咲いており、他の花を愛でるためには格好の散歩道が作られている。
ここ一週間ほど、背丈ほどにも伸びていた草の刈り取りが行なわれ、見晴らしがよくなったのと、干草状態になった草の匂いが心地よい。
腰掛けて目をつむれば、幼いころ伯父の家で農耕馬の飼料にするため刈り取った草を秣小屋に引き込む時の情景を思い出す。
そう思って、周りを見わたすと駒繋が赤紫の花を、あちこちで咲かせている。
コマツナギ、一寸見には萩に似ているが、これでもれっきとした木だという。茎、根共に丈夫に出来ているため、馬の手綱を結びつけておいても切れない所からとも、この木の葉を馬が好む所から、放っておいてもこの草の周りから離れることがない所から付けられたも言われている。
花をアップすると、最近咲きだした葛にも似ている。
はじめてこの花の名を聞いた時は、どんな字が当てはまるのか分からなかった。薙ぎの木の親類筋なのかとも想像したが、正確には、駒繋と書くようだ。
最近は分類上とか言うことで、カタカナ読みに表記するようになってしまい、頭にミヤマとか、タカネが付いたりすると図鑑によっては親類筋でもズーッと離れた場所に移動してしまい、探すのに一苦労してしまう。
自分としては、読み間違えたり、読めなかったりはするが、漢字表記は付けたときの気持ちがわかって良いように思い、自分のマイフオトでは表題に漢字を使っているのだが、これも”胡豆の歯軋り”でしかないのだろう。
いずれにしろ、小さい花を大きく写すとまた違った発見や味わいがあり、今日もおじいさんは野山を徘徊している。
これで、もう少しボケが入ると恐いものがあるよ。
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