« 雨も嵐も踏み越えて | トップページ | うちの○ちゃんにかぎって »

2006年8月10日 (木)

肺いっぱいの香気

P1010044 また、暑い夏が戻ってきた。

天気情報は、24度から最高29.9度だと言っていたが、体感温度は30度を超えていたようだ。

神岡鉱山、栃洞坑。 今ではニュートリノの観測装置”スーパーカミオカンデ”で同じ鉱山の茂住坑のほうが有名であるが、茂住坑と谷ひとつ隔てた(といっても10kmほどはなれているが)栃洞坑で17歳から40歳まで勤めていた。(写真は昭和50年代の坑内で動いていたスクープトラムという、ショベルカー)

この鉱山は、銀、鉛、亜鉛を主体としていたが、岩盤が固く、有毒ガスも出ない、通気がよく、出水も少ないなど鉱山としては働きやすい部類に入る鉱山であった。

しかし、働きやすいと言っても、そこは鉱山。 労災事故で亡くなった人は、この20年余の間の30人ほどいたのだから、決して安全な所ではなく自分も何度かもうひとつ間違えば、という場面を二度三度と経験している。

地下をもぐって通気がよい、という鉱山は比較的少ない。

そのなかで、この鉱山は標高400m程から上は1200mほどのところで採掘していたため、夏は下から上に、冬は上から下にと空気が流れる。

この空気は、地下の温度が13度ほどで一定しているため、熱い空気は冷やされ、冷たい空気は暖められて外に出る。

どんなに暑い夏でも、一旦坑内に入るとクーラーなんて目じゃないほど冷やしぶりだった。しかし、空気の吐き出し口では気温差で、霧がかかったようになることや、何がしか独特の臭い(火薬や石)がして、人によっては地獄風という人もいた。

また、春先に強く感じたのは、坑口が入気口になったとき若葉の香りが強く鼻腔を刺激することだった、木の葉の香り、そして、秋の枯葉の匂いはキノコの香りを思い出させてこれまたなつかしい、普段外にいては感じられないのは、香水をつけている人によくあるように、自分の周りの臭いが分からなくなる、という現象と一緒だと思う。

仕事が済んで外に出るとき、こんな空気に会うと、生き返ったとばかりに肺いっぱいに息を吸い込むのが習慣だった。このときの幸せ感もまた格別。

本日は、鉱山の冷気を思い出して一文。

|

« 雨も嵐も踏み越えて | トップページ | うちの○ちゃんにかぎって »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/90605/11374527

この記事へのトラックバック一覧です: 肺いっぱいの香気:

« 雨も嵐も踏み越えて | トップページ | うちの○ちゃんにかぎって »