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2007年3月30日 (金)

イタンドリ

Img_0157 イタンドリが芽を出していた。

子供の頃、板取(イタドリ)をこう読んで、茎の太いのを選んでへし折って、皮をむき、おやつ代わりにそのまま食べたものである。

久し振りに、食べてみた。シャキシャキとした歯ごたえの後、口の中に顔が曲がるほどの酸っぱさが追いかけてきた。こんなに酸っぱかったかなと言うのが感想である。

この板取の太い、若い茎を採って来てつぶし、熱湯をかけてあくを抜き、煮付けにしたり、ごま油でいためたりして食べたものだった。蕨やあずきな、こごみ(クグミと言った)と共に春の山菜のひとつであり、簡単に大量に取れるところから、よく食べて戦後の食糧難の時代を支えたと思っている。

なお、ぜんまいはあく抜きをした後、灰にまぶし乾燥させながらよく揉んで冬に食べるが、高い値段で売れるところから、換金山菜として貴重なものでなにかの行事や葬儀の時以外、あまり食べる事は無かった。

また、若いころ聞いた話だが、板取やスギナは酸性土を好む所から、金気草(カナケ草)と呼ばれ、江戸時代の山師はこの草のあるところに地下資源が有ると言って山奥の谷筋をかき分けて歩いたいう。

そして、この板取が、スカンポというのを知ったのは、ごく最近。

Img_0063_1 唱歌に”土手のスカンポ ジャワ更紗 昼は蛍がねんねする、、、、”と歌ったころは酢葉(スイバ)のことだと思っていた。土手にスイバが密集して赤っぽい地味な花を咲かせている様を勝手に想像していたわけだが、思い込んでいると調べたり聞いたりということが無いので誤解はいつまでも続き、、、あとで恥をかく。

名前の出所は中空になっている茎を折るとき、スッポンと音を立てることに由来すると言う、ちなみに”板取”も痛み取りから来ているという説があるらしいが、漢字の当て字にしては随分と違うじゃん。

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追*  08年5月13日、由紀さおりが”笑っていいとも”で酸葉(スイバ)をスカンポだと長野の人に教えられたと言い、コップに入れたのを見せていたが、PCで調べてみてもスイバ説とイタドリ説がありどちらとも言えないようだ。

自分も当初はスイバとばかり思っていたので、この際特定しないほうがよいのかもしれない。 

       

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コメント

慶さんの所と私の育った所は、正月のぶりを初め、食べるものに関してはよく似ているようですね。
でも、呼び名はその土地ごとに違うようで、ギシギシは下の酢葉のを指していました。
ギシギシとは、葉のこすれる音でしょうか、なんて、想像しています。

投稿: オラケタル | 2007年3月31日 (土) 05時56分

慶はぎしぎしと言っていました。これを沢山つんで、塩にしたものをつぼに入れ、食べていました。信州の方はまた、これが瑞々しいんですよ。摘んでいる端から食べてしまうので、良く怒られましたよ。ぎしぎしと、蓬摘みは子どもの仕事でした。

投稿: | 2007年3月30日 (金) 23時13分

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