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2007年3月 9日 (金)

銀の匙

Img_0026_1 いま私の手元に黒くなった一本の銀の匙がある。

ペルーのリマで知り合いから友情の証にといって貰ったもので、1,923年のUN SOL 、つまり、1ソーレス銀貨を細工したものだという。

お椀状に丸められているのではっきりは分からないが、表には多分ペルーの国の紋章らしき刻印と裏には男の神さまみたいな刻印が打たれ、銀細工などが得意のかの国らしく、柄の部分にも複雑な模様が入ったものだ。

銀貨の大きさは、直径3,5cm、厚さ2mm程の物に12cmの柄がつけられている。

本物かどうかは分からないが、大事な記念品としてとってある。この人とは、その後しばらく拙いスペイン語で手紙をやり取りしていたが、いまでは、音信不通になり、消息は分からなくなっている。

そうして、時おり出して見ては、当時を思い出そうとするが記憶は次第にあいまいになり、写真まで引っ張りださないと顔まで忘れかねない。

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Img_0021_4 今日、羽鳥にある「中堪助文学記念館」へ行ってみてきた。当初の予定は、藁科川の真ん中にある「木枯らしの森」を見て来たいというのが、目的であったが、水かさが多く、右岸からも左岸からも近寄ることが出来ないため変更した。

中堪助という作家は、綺麗な文章を書くということで、知られた人らしいが、私が知ったのは静岡に来てからであり、その処女作であり代表作でもある「銀の匙」を読んだのは、ついこの間だった。

銀の匙は、この人の幼年時代を全編に少年時代を後編に持ってきたもので、夏目漱石らから高い評価を受けたという、昭和18年から5年ほどこの地で療養生活をしたことが縁で記念館が作られたと、管理人が説明してくれた。

入場者は少ないらしく、記帳してくれというので名前を記入したが、今日は私一人だけ、一応記念館の中を案内してくれたが、その中に、「銀の匙」の本と桐の箱に入った小さな銀お匙が並べられていた。

銀の食器は毒物に反応してすぐ黒くなると古くから信じられ、とくに、西洋の王侯貴族は銀のスプーン、フオーク、皿、コップなどを愛用したと言われている。この匙もそんな流れを汲んだかのように、全長で10cmに満たない可愛らしいものであったが、こんな風にしまわれていると有り難味が増してくる。

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