父の膝にいだかれて(三方分山)
山梨県は精進湖の後ろに三方分山(1,422m)という山がある。(朝 精進湖に写る富士と大室山)
当方、始めて5万分の1の地図を見たとき、「ミカタワケヤマ」とでもよぶのかと思っていたら「サンポウブンザン」と読むのだと案内書に書いてあった。理由は古い昔、この山の山頂に続く尾根で三つの村境があったためと言う簡単な理由でつけられたそうな。
朝八時すぎ、県営の駐車場に車を入れると、空一面に薄雲が広がり、精進湖には波ひとつない。気温は1度。薄暗い感じながら身を切るような寒さは感じない。
登りは、”精進居”と書いた集落側から上ることにした。この集落も空き家らしい家が沢山あり、昔は峠越えの拠点として賑ったこともあるのをしのばせるだけに、うら悲しさを感じさせる。
谷沿いにある防災堰堤を越えると、昔の街道を偲ばせる古い野面積みの石垣のある道が九十九折につづき、駐車場から50分ほどで女坂峠に到着する。
ここに、古い首から上の無い石仏と墓がひとつあるが、時代は苔の下になり分からない、そして、案内板に3,000mとか4,000m、きっちりした距離が書いてあった。普通3km、4kmなど余裕のある数字を書いておくものなのに、、、珍しい書き方をしていた
峠で一休みした後、左の山道に入る。緩急を繰り返しながら高度を稼ぐと、急にゆるやかなブナ、楢の木の多い明るい道になり、そのまま、しばらく行くと何時の間にか頂上にいた。
標高1,422mの案内板あり、富士山側切り開いた場所からは、この山を歩く目玉になっている「子抱き富士」が丁度良い角度から見ることが出来た。
正面の富士のふところに抱かれるように寄生火山「大室山 1,468m」が見える。今日の天気もあって大室山には薄い霧が取り巻いている所は、父親の膝におくるみを着せられた赤ん坊が座っているようにも見える。
この場合、どう見ても母親ではない力強さを、富士に感じてしまう。
このあと、精進山を過ぎると道は急な降りに入り精進峠、根子峠でパノラマ台へ向かう道と合流し10分ほどでパノラマ台(1,328m)に約1年ぶりに到着した。
前回は本栖湖側から上がってきたのでだが、天気は今日と違っているのでまた趣が違う。登りだして3時間半、ここで景色を眺めながら昼ご飯にする。曇り空で地味な富士山ではあるが全景が見えるし、東の御坂山塊は墨絵のように奥に行くほどねずみ色にくすんでいる。西の南アルプスはまだ日が当たっているようで、雪が光り輝き、竜ヶ岳、雨ヶ岳、毛無山と雪の量が多くなっているようで次第に白味が強くなっている。
充分に疲れも取れたと判断して、観光シーズンにはごった返すらしい、幅が広くてゆるい傾斜の道を駐車場に向かって下り、午後2時すぎ、駐車場に無事戻る。今日も山は一人旅、人の気配は一切感じなかった。
降ってきてこの山全体で、感じたのは、この山はブナ、楢など落葉樹が多く、道にブナの実の殻や、団栗の帽子がが沢山落ちていたことである。ということは動物の餌がかなりある山であり、ヤマガラなどの小鳥もよく見受けられた。
また、杉の木が駐車場を除くと見当たらなかったこととあわせると、花粉症の人が登るにはいい山なのではなかろうか。
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コメント
高凛さま
いま山は厳しい寒さも去って、芽吹き前の静かなひと時です。
精進湖の周りには人影もほとんどなく、ある意味で独占させてもらってきました。(実は雪があるのではないかと半分期待していたのですが、、、こちらは空振り)
そのうち、草木が芽吹くと人も芽吹きますよ。
投稿: オラケタル | 2007年3月 3日 (土) 16時29分
お早うございます。久し振りの土曜休みですのに、今しがた起きたところです。三方分山行かれたのですね。私は、このコースが大好きで夏は敬遠しますが、よく出かけます。マヨネーズで食べたらさぞ美味しかろうと思う新緑の頃、木々が葉を落とし眺望抜群の秋から初冬の時季が特に好きです。
もうすこーし仕事が落着きましたら、足元のチアガールになってくれる可憐な花々に会いに行こうと思っております。
ご自愛の上、日々お楽しみなさいますよう。
投稿: 高凛 | 2007年3月 3日 (土) 09時29分