五月蝿い! (真富士山)
岩鏡(イワカガミ)頑固そうな名前だがいたって優しい花をつける。
岩の多いところを選んで繁殖するようで、強いのかこんな所でしか根を下ろせないのか、冬の冷たい風に吹きさらされて、いま花を咲かせている。
名前の由来は、常緑の葉っぱが昔の鏡のような形をして、つやつやと光っていることからつけられたという。
下からののぞいて見ると、五弁の花びらの先端がが裂けているのが、一寸見には無数の花弁があるように見える。岩団扇の仲間なので、どこかで分かれる際に裂けちゃったんだろうと思う。
色もピンク系統から淡いものまでいろいろとあるが、ここでは、ほとんどが白だった。
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今日は、久し振りに真富士山に行ってきた。真富士山は安倍川上流の左岸にあり標高は、第二真富士山で1,402mで、先日登った青笹山の南側に当たる位置にある。
家から20km行ったところから右折、林道を6km登った駐車場に車を止め、そこから登りだしたが、12日前の青笹山のときに比べると植物はいちじるしく成長していた。今日はどんな花を見せてくれるのかな?と楽しみに歩く。
まずは、ホウチャクソウ(左)とテンナンショウ(右)が出迎えてくれた後、整備されていない檜林を登る。この林、来始めてから10年余になるのに密植のためか全然成長していないように見える。
昨年から森林税をとられているのだが、どこに使っているのか分からない、こんなところを間伐してほしいものだ。
そんなことを思いながら、谷筋に出るとハシリドコロ(左)やスミレがふえ、その後二輪草(右)の集団、ネコノメソウと次から次へと舞台を換えて見せてくれる。
なかには、これから事典と首っ引きで調べなければならない花もあって楽しみを長続きさせてくれる山行きとなった。
そんなこんなで、大井平から右に折れ、峠で神社に挨拶し第一真富士山(1,343m)に到着したのは予定から随分と遅れて九時半ころ。頂上を少し下った広場からは、いまの季節では仕方のないのだがうっすらと霞む富士山や清水港。木の間越しの第二真富士山を見ていると、大柄なタテハ蝶が一緒になって休んでくれた。(写真は第二真富士山から)
少し休んだ後、真富士峠に向かって降る、標高で100mも下ったろうか最低鞍部の峠に到着。それからまた登りにかかるが、第一真富士山に比べて痩せ尾根で岩が露出している所に岩鏡が群生しだした。
その何ヶ所かで、また写真撮影をするためあっちでうろうろ、こっちでうろうろを繰り返し、ロープに掴まったりしているうちに少し平坦になったとおもったら頂上にたっている。
登りだしてから3時間ほどもかかるスローペースの山登りになった。しかし、ここで気になったのは峠からこっちやたらと蝿が多いことだった。「五月の蝿は五月蝿い(うるさい)」なんて冗談も始めのうち、山での早飯中に何匹叩いて殺したことか。とにかくずっ~とまとわりついて離れなかった。
帰りは、真富士峠からやはり手入れの悪い林を抜けて大井平の分岐で登り道に合流し、駐車場に帰る。天気もよく気分の良い山歩きだった。すれ違う人もなく、山を独り占めにした一日だった。
また、頂上付近と駐車場近くで二頭のカモシカを見るが、どちらも立ち止まることなく早々に茂みの中に入ってしまった。
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ああ、そうそう。早咲きか狂い咲きかは知らないが、赤ヤシオが三本ほど尾根筋で咲いていた。
写すと蝶々のように広がった葉が、他のツツジと区別できる。 他の赤ヤシオはまだツボミ固しなのでどっちかな、、、。
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コメント
ナベショー様も岩岳のヤシオツツジを見に行かれましたか。
登りきれば平坦な道の両側が見事ですね。
しかし、下十枚まで足を伸ばすと帰りが大変。両方の上り口に車を置くといいのですが、パートナーもいないしで、いつもどちらかをピストンしています。
投稿: オラケタル | 2007年5月10日 (木) 07時31分
例年、地蔵峠から下十枚のシロヤシロは5月中旬以降と思ってるのですが、すこし低いところは早いようですね。
寸又峡の前黒法師山には、イワカガミの群生地があり、見事ですよ!
投稿: ナベショー | 2007年5月 9日 (水) 23時02分
高凛さま
朝の忙しい時に御一報ありがとうございました。
連休中はどこかの山に行っていたのかな?と思っていました。
1,300m台の真富士山。赤ヤシオは、昨日見た三本以外は蕾が少し赤くふくらんだ状態です。
シロヤシオにいたっては、葉っぱさえもまだ固いのか、濃い紫に縁取りされた葉っぱを見ることが出来ませんでした。
この調子では、5月末になるのではないかと、開花予報士は感を頼りに独断と希望をもって報告します。
なお、虫はまだ良い方と思っています、これから奥大井の蛭が一番の困り者でしょう。
投稿: オラケタル | 2007年5月 9日 (水) 07時41分
慶さん
岩鏡、予定して行って希望通りに咲いているのはうれしいものです。何時見ても綺麗なものです。
三保蝿は知りませんでした。昔は、赤ん坊の顔が真っ黒になるほどいたものですが、今では人里をはなれたこんな所でしか生きられない昆虫になったのかなと思いました、、、、しかし、こんなに群がって来られると、”五月蝿い!”です。
投稿: オラケタル | 2007年5月 9日 (水) 07時24分
おはようございます。お元気そうで何よりです。
最近、忙しさ?故に山にも麻機沼にもすっかりご無沙汰しています。もうイワカガミの時季ですね。
青笹山はどうでしょうか?
また、昨年はダメでしたが、地蔵峠から下十枚までの尾根筋のシロヤシオは今年は如何なものでしょうか?
「花予報士」に伺います。
山の花見にウズウズしておりますが、気持ちとは裏腹に、悲しいかな気力が反比例。
好きなイワカガミの写真を拝し、取り急ぎ返信まで申し上げ出勤です。それにしましても、安倍奥の蝿やら小虫?には悩まされる季節になりましたね。
投稿: 高凛 | 2007年5月 9日 (水) 07時10分
岩鏡アップで拝見して感動してます。当たり前ですが、ちゃんと花弁があるんですね。ひらひらした花びらもとても繊細です。五月蝿はやはり五月蝿かったですか?いつか、富士宮のほうに行ったら、なぜかフロントガラスに蝿が張り付いたまま、そのうちどこかへ行くだろうと思っていたら、結局静岡まで付いてきてびっくりしました。三保にも三保蠅って言うのがいるの、ご存知?ホテルのプールに併設のバーカウンターで、気取ったバーテンダーが、おもむろにハエタタキで蝿を退治していたのがおかしかった。
投稿: 慶 | 2007年5月 9日 (水) 00時31分