ゆ~らゆらと
古い墓のまえに供えられた彼岸花に紋黄アゲハがゆ~らゆらと飛んできて掴まった。こんなところからアゲハチョウには霊が宿るなんていわれ方をしたのだろうか。
久しく、彼岸の墓参りには行ったことがない親不孝者としては心苦しいことだが、彼岸の中日である今年も300km以上はなれた地にある墓参りはご無礼し、替わって従姉妹が墓掃除をし守りをしてくれていることを連絡してくれた。
私は、自分の親が”千の風”になぞなっていないことを知っている。抜け殻かもしれないが11年前母親の納骨に行った時、それより25年前に逝った父親を見て来ているからだ。
あんなに大げさな声で、”そこにはいません、、、”と言ってくれたって信用していないのだ。
もっと優しい歌い方がないのだろうか。たしかに、戦争を含めて遺骨のない人には慰めになるのかもしれないのだが、それにしてはすこし、声高に過ぎないかと代々が曹洞宗である私は思ってしまう、、、
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夕方になって、縁側で一輪だけ月下美人が咲きだした。ゆ~らゆらとときどき身を揺らしながら開きだした。
ほかの八輪とともに咲くのかと思ったが、彼岸の日に義理立てしたみたいに先駆けて開花したので、切り取って仏壇にほかの花とは別にしていけてみた。
我が家では、借り物の身体は墓に亡き父母は仏壇にいることにしている。此岸に住む私の勝手かもしれないが風に乗ってそこらを飛び回ってくれたら、どこに向かって手を合わせていいか分からないので、、、
合掌
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