夜明けの富士 太郎坊から
(写真。朝日を浴びて赤く染まった富士山頂と残り少なくなった富士薊)
午前五時半、東の空一面が赤くなっているもの、空には雲ひとつ無く、半月とオリオン座が近接して輝いている。富士はまだ、闇の中に薄く見えるだけ、、、
富士山御殿場口の太郎坊駐車場に車を停めたときはまだ暗く、街灯が辺りを照らしていた。それでも先客?が二台離れて駐車していた。
今日は此処から登れるだけ登って来ようと思ったのと、朝日の写真を作りたくて来た。早速支度して、駐車場をでる。傍の車が慌てたように車内灯をつけるが、こちらは久し振りの御来光なので嬉しくてじっとしていられない。
富士山にはいろいろな登り口があるが、同じ5合目と言っても富士宮口と吉田口は標高が2,300mを越えるのに対して、須走口は2,000mほど、御殿場口に到っては1,400mしかない。そのため、このコースは人気が無く山小屋も少ない。唯一賑うのは富士登山駅伝があるときだけぐらいのもの。
宝永火山の噴火で降り積もった小さな火山礫(スコリア)は、灰分が無いため固まるということが無く歩きにくい。”三歩進んで二歩戻る”というほどではないにしても、無駄足が疲れさせる。
30分ほど登った所で朝日が顔を出した。予想より下のほうだった、雲の切れ間みたいな所から海坊主のように赤い火の玉が上り、富士の頂を染めているが、こちらも少し迫力不足。それでも山は一瞬で明るくなった。
道脇には、かさかさになった御蓼(オンタデ)と富士薊の穂が風に吹かれて舞い散っている以外なんの音も無く静寂な世界が荒涼として広がっている。
昨年登った二子山を横目で見ながら、登れば下から湧き出た雲の勢いが激しく、たちまち下界が見えなくなった。次郎坊(1,900m)に着いたのは登りだしてから一時間と少し、此処から上は傾斜も急になるので、今度は二子山の裏を回って下ることにする。
二子山から来る道と合流し、幕岩へ下る道との分岐で一休みし食事にする。此処から先に落葉松林に入るのだが葉の色がほん黄色くない、やはり、今年の紅葉は良くないのだろうか。
分かりにくい道を探しながら下る、幕岩は思っていたより愛想の無いところで、名前負けか。此処から道は幅広くしっかりとついている。
明るい森林帯を横道が走り、心地よくもとの駐車場に向かって進めば、ようやく赤いカエデや黄色いイタヤ、そして、倒木にはキノコもあって楽しい散歩道になった。
全工程四時間すこし。
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今日の花。左、マユミ 右、カエデと松と富士
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コメント
慶さん
子どもの遠足と一緒ですよ。
夜中に小用に起きて窓の外を見ると、月と星が輝いている。
それからが、眠れないんです。眠れないのならと真っ暗な外を飛び出す。 午前四時すぎ
投稿: オラケタル | 2007年11月 1日 (木) 06時54分
すごい!何時に起きたんですか?朝起きて天気がいいから出かけようではとても間に合いませんね。しかも、行程がすごいし!夜明けも青空の中の富士山もきれいですね~。惚れ惚れしてしまいました。紫苑のことありがとうございました。オラケタルさんの昨日の記事にもありましたね。よく見ればよかった!これからも遠慮なくご指導くださいね。
投稿: 慶 | 2007年10月31日 (水) 23時00分