冬のホウズキ、茎も葉もすべて枯れたホウズキが中の赤い実を袋のすき間から覗かせている。
ホウズキを漢字で書くと”鬼灯”とも書くが、これは、お盆に飾ったホウズキをもって、冥土に帰る足元を照らすように、と言う意味からきているそうだ。
こんな実を見ているといかにも墓地にある破れ提灯を思い出させるものがあり、わびしい気がしてならない。
.遭難事故の多い日
朝から関東地方に雪が降っていると報じていたし、静岡でも氷雨とは言わないが冷たい雨が降っていた。
”今日はなんの日”というのを見ていたら、”八甲田の日”だとあった。明治35年の今日、青森の歩兵第5連隊が雪中訓練として出発し、210名の隊員のうち199名が死亡残りすべてが重症になるという事故であった。
理由として厳しい寒波が来たこと、装備、情報知識の不足など幾つか挙げられているが、詰まるところ指揮官の判断の誤りに帰する所が大きかったようだ。
また、”真白き富士の嶺”で有名な江ノ島沖の遭難も今日だったようだが、荒れた海にボートで乗り出しての事故であるところから、今日は天気の荒れる特異日なのかもしれない。
違和感のあるガンダーラ美術展
そんなこんなで、何処も行く予定がなかったが退屈紛れに、県立美術館でやっている「ガンダーラ美術とバーミヤン遺跡展」に行ってきた。(左、写真はパンフレットから)
駐車場から箒をさかさまにしたような欅の並木を傘を差してのんびりと歩き、10分ほどで玄関に到ると、傘がいっぱい傘立てに刺さっている。見ると近所の中学の名前が書いてあるの、「生徒が沢山来ているな」と思い、一瞬ひるんだが折角来たのだからと、受付に行く。
見ると、70歳以上とJAFの会員は割引と書いてあったが、70歳にはもう少し足りないし、JAFカードも自動車の中、取りに戻るのもなんだしと思い、正規の料金を払って入場する。
中には、やはり生徒が沢山いたが、割合と静かに見ているし行儀がいい、しかし、小母さんグループがやっぱりと言った感じ、、、いつものことながらどうしてなんだろう。
そんな気持ちで見たいたためか、どうもしっくりとこない。
ひとつは、初めから分かっていたことだが、日本の仏像から顔つきが離れずぎている。イタリアの美術館のミケランジェロなどの作品に混じっていても分からないくらいの顔つき。もともと、釈迦などはそんな顔つきをしていたのかもしれないが、いま我々が見ているふっくらとした東洋的な顔つきの仏像とはあまりにも違いすぎる。
さらに、この仏像の所持者に「個人所蔵」というのと何とか寺とかかんとか宗という「宗教法人」が非常に多かったことである。
気になったので展示品の裏を覗いてみたが裏は制作時に削ったのか、鑿跡が付いているのでどこかに嵌め込んであったもののようだが、さぞかし高い値段取引されたものなのだろうなという感じがした。
草木の全然ないガンダーラの写真パネルもあったが、この遺跡にはいま何が残っているのだろうか、探検家といわれるハゲタカ連中の儲け話を見ているようで次第に気分が滅入ってしまった。
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そう言えば、”外は冬の雨まだ止まず この胸を濡らすように、、、、”って歌もあったっけ。
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