山頂はまだ先(天津山1732m)
隈笹をゆらしながら吹き上げてくる乾いた風は、汗ばんだ身体に心地よくしみわたる。こんな風を受けると思わず出てくる言葉は昔ながらの「極楽 ごくらく」 である。
斜面のあちこちから鶯とホトトギスが競演しているが、考えてみれば、ホトトギスという奴は鶯が巣をつくり卵を産むのを今か今かと狙っているので、敵対関係にあるのだが、、、、鶯のほうはそれを自覚していない所に面白みがある。
とにかく今日はのどかな尾根歩きが楽しめて、幸せな一日であった。
昨日からの天気予報は快晴のマークを日本地図の上に散らし、明後日当たりから雲マークが多くなると説明していた。
ヤシオツツジにはまだ少し早いが、、と思っていたが、この天気予報では行きそびれると花は散ってしまうとばかり、天津山(下十枚山)に向けて出発した。
谷空木が道の上下に真っ赤な花を咲かせているなか、正木峠の駐車場に着いたのは午前八時を少し回っていた。先客はすでに一台車を停めて、上っている様子。
早速支度して、これで何回目になるか分からない上り口のお地蔵さんに挨拶をして上りはじめる。
いつもの場所で、雪笹や銀嶺草を写しながら四十分ほど掛けて地蔵峠、足の調子もよさそうなのでそのまま岩岳(1,682m)まで一気に上れば、時間はまだ九時十五分、意外と早く到着した。
お目当てのヤシオツツジは、地蔵峠を過ぎた当たりから赤ヤシオが目立つものの白ヤシオはまだのようで、気の早い奴はいないかと探していたらやっと一本だけ、、、それも寂しげな奴を。
岩岳山頂の標識の周りのものはまだ蕾が固く、花の見ごろは十日くらい先と見た。
この先行っても大したこと無いかと思ったが、ここまで来たのだからとさらに天津山に向けて足を伸ばす。
上のほうに見るものが無いとなると、自然に足元に注目は集まり、岩鏡、梅花黄連、深山方波見など小さな花を見つけては写すを繰り返して進めば、十時に天津山(1,732m)に到着する。
まだ先をという気もしたが、先週の七面山のように膝に来れば持病になりかねないと思い、引き返すことにする。
地蔵峠で昼御飯にしようと戻ってきて始めて人に逢う。どちらも同年輩。(それはそうだろうね、こんな日に山に来るのは、、、、)
そして、上の状況を聞かれたので、説明した後、話題は、先日十枚山で捜索された人、蕎麦粒山で亡くなった人の話になり、お互い高齢者登山「気をつけようね」となったが、どうにも抽象的。根本には自分は大丈夫という、根拠の無い自負が抜け切れない所にあると見た。
そんなこんなで、また山の花を撮り溜めたので明日にでも”08静岡 山野草”にリストアップをしようと思う。
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