明るい花の山 根子岳(2,207m)
朝四時、起きてみると浅間山から連なる籠ノ塔山、菅平方面の山は雲の中、反対側の蓼科山も全然見えない。
すこし様子を見ようとまた布団に入ったものの、じっとしていられなくなって五時前に車に乗り込んで、菅平に向かった。
昨年、根子岳から四阿山をぐるッと廻ってこようとしたものの雨風に阻まれて根子岳だけで断念してきたのでそのりべンジを果たしたいと狙っていた。そしてもし駄目なら湯の丸山の蓮華ツツジでという両面作戦で向かってみたのだが、次第に空は晴れ上がり六時に菅平牧場の駐車場に入れたときは上空は雲一つない快晴になった。
根子岳は花の百名山に数えられるくらい花の多いところと聞く。今回はどんな花が顔を揃えてくれるのか楽しみにして支度にかかっていると、郭公がすぐ傍でのどかな声で泣き出した。
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まず、1,250mの菅平に入ったときからあちこちに濃いダイダイ色の蓮華ツツジが咲き乱れていた。この花は毒があるとかで、牛も食べないそうで、牧場の中にあっても大きな群落を作っていた。
牧場の最上部1,700mを越えるくらいまでは蓮華ツツジががメインフラワー、そこから上は蕾になり変わって、深山ツツジがイワカガミが、そして、峰桜が彩りの主役になる。
この当たりまでは白樺が多くとその上に行くと低い潅木になり、山全体が明るく登るには気持ちの良い山である。
あちこちと写真を写しながらの、山登りだが、足の調子も良く快適に高度を稼ぎ思ったより早く七時半に山頂に着く。頂上からの眺めは北アルプス全体が良く見えるものの、南側の山々は雲に埋もれている、その時になって、「此方はまだ梅雨入りしていない」ことに気がついた。
ガラガラとした山頂。去年の強い雨混じりの風もなく、印象はずいぶんと違って感じた。頂上で一休みの後、狭い岩稜の突端屏風岩に向かう。
この山から直線で2kmくらいか、次に目指す四阿山は200m下ったほど十ヶ原を挟んだ向うに聳えているが、標高差以上に高く威圧感を与えるのは樅の木などが繁り暗く感じるところにあるためかもしれない。
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今日の花。左、ズミの花。正式名は小梨といい蕾のうちは淡い桃色をしている。上高地河童橋の近くを昔は小梨平といったが、この樹は今では少なくなってしまった。右、猩猩袴(ショウジョウバカマ)、春を象徴するはなのひとつ。そばの小さい花はミツバオウレン。
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