山頂に祠が三っ 四阿山(2,354m)
根子岳から十ヶ原の鞍部までは低い笹原で快適な降りになる。足元はイワカガミが道の縁だけでなく笹の中にも沢山あるのが透かして見える。
そして、四阿山の登りにかかると状況は一転する。樅の樹を主体にした原生林の中は光も届かず薄暗い上、1㍍を越す笹が道を覆い隠している。目印はところどころにつけてある赤いテープであり、それに従って行く先を判断するといった状況の場所が何箇所かある。
急な斜面のところどころに残雪がある。北向斜面というだけでなく、日の差し込まないせいもあるかと思う。そして、途中2ヶ所開けたところがあり、今降ってきた根子岳の斜面がこちら側とは対照的に明るく映え、その奥の北アルプスを引き立てている。
ようやく開けた場所に出てくれば、山頂はすぐそば、菅平牧場から直登して来た二人連れがすぐ前を歩いていて、山頂で追いつくとカメラのシャッター押しを頼まれた。
山頂は、下から見た感じとは違い細長い尾根上の地形で、信仰の山らしく祠が三つ並んでいる。いずれの神様か確認しなかったが、「さぞ窮屈なことだろうな」と思ったのは私だけ?
その間にいかにもわが領土といった感じで群馬県嬬恋村の木柱が立っていたが長野県のは無い。一体に長野の山にはこういった柱や標識が無いが、静岡や山梨の県境の山では両方が立ち、中には気に入らないのか、刃物で削ってあるものまである。これも県民性なのか。登山者のマナーなのか、、、、、。
食事を兼ねた一休みをすれば、雲が急速に周囲の展望をふさぐようにかかってきた。まるで、舞台の幕を引くようにして、、、、、、、それを機に腰を上げ降りに入る。階段状の木道に沿って降ると、鳥居峠方面との分岐に入り、そちらに降れば大回りになるので、四阿山高原のほうに道をとり、低い石原の斜面を下るとイワカガミと三つ葉ツチグリ、三つ葉オウレンが縞状の群落をなしており、それらを見ているうちに、中四阿山への道を見失ってしまった。
「まあ、少し大回りだけど四阿山高原に降るか」と軽い気持ちで他の花の写真を撮りながら高度を下げていき、牧場の柵伝いに1,500m付近まで降ると三方柵で道が突然ふさがれてしまった。
あちこち探ってみたが、行く先が無いので柵を乗り越え牧場を水平に西方向に歩くことにした。蓮華ツツジの開き具合から言ってこれ以上下に降っては駐車場より下に行ってしまうと判断したためで、ひと気の全然感じられず、一面牧草で先の見えない草原をこの判断でよかったのだろうかと思いながらただひたすら歩いた。
約1kmほど歩いたところで、ようやく荒れた道路に出たが、その道路をさらに3km歩いてようやく駐車場に到着した。全工程七時間。回り道が無ければもっと短かったのだろうけど、いろんな花を見せてもらったと思えばこれもまたよい結果であった。
帰ったところで、葱苗を譲ってくれるとという話があったので、また畑に出て二畝葱用の深い溝を掘ったがこれが意外に堪え、手のひらに水膨れを作り汗だらけの身体をシャワーで流すころには「もう、どうにでもして、、、」という無気力状態。
夕食前まで一眠りをしてしまった。
この山での写真は”根子 四阿の花”としてマイフォトで紹介します。
.
今日の花。左、鈴蘭 右、ライラック 何れも菅平牧場の池のほとりに咲いていた。
| 固定リンク
コメント