気力を削ぐお日様
枕もとの突き上げ窓は、昨夜来ずっと開けっぱなしで一夜を過ごした。朝方の冷気でシーツの中に潜り込んだものの、予想より気温は高かった。
目ざめれば、外の草木はしっとりと露を含み、鶯の声が聞え、昨日は見えなかった四囲の山々に朝日が当たり始めている。
一人で来ていたなら、きっと予定を吹っ飛ばして、どれかに登っていただろうな、なんて考えながら朝風呂に浸かって空を見上げる。
朝の食事は七時半、朝風呂を済ませて腹を鳴らして待つ。食事中になって主人が「ケタルさんは神岡の出身だそうですが、私の親父を知りませんか」と経歴をいう。「その人なら良く知っていますよ」と答え、更に話を進めると、中学の後輩になり、弟夫婦と主人の姉が同級生ということまで分かってきた。
まさに、”縁は異なもの 味なもの”というが何処にどういう知り合いが出来るか分からんものだ。
支払いを済ませてから、天気が良いからロープウエイで登ってみようということになり、始発から間もない時間、客の少ない中ゆうゆうと腰掛けての空中散歩となった。
目の前に笠が岳、北に西穂から槍ヶ岳、南に焼岳を眺めてゆるゆると登り、ポストを通過する際、ゴンドラが揺れるたび小母さんが大げさに騒ぐ。このくらいの年になれば、度胸が据わっているものと思うのだが、、、、
終点で下車すれば、三人のカメラ屋さんが大きな声でシャッターを押してあげますよと声をかけている。最近では猫も杓子もデジタルカメラと携帯電話のカメラで頼む人も少なく、実いりも少ないに違い無いだろうが、大声は自然にはそぐわない。
これで此処に来たのは何度目になるか、いつものようにシラビソの森を散策して戻る。長野でじゃが芋掘りが待っているのだ。
降ってから、平湯温泉~松本~三歳山トンネル~鹿教湯温泉を過ぎて立科町へ着いたのが昼少し過ぎ、食事を済ませて畑に行って見たが頭上から降り注ぐ太陽の熱は、気力を削ぐに充分の威力がある。
結局は、ゴロゴロとして日没を待ち、お接待のビールとバーベキューを目の前に見せられれば、「芋ほりは明日の朝、、、」と腰砕け
.
今日の花。西穂高ロープウエイ終点
左、岩桔梗、高さ10㌢の小さい草、蛍袋の仲間。右、リュウキンカ。湿地に良く見られる、長い柄の先に一つだけ花を咲かせ、花後の種も面白い。
| 固定リンク
コメント