内風呂に入る人はいません
閑人は世間の波から少し離れて動くをモットーにして早めの盆休みを取ることにした。
静岡から国道52号線沿いに鰍沢。そこから自動車道を松本まで走った後、梓川沿いに上高地入り口、そして、安房トンネルを抜けて、故郷まで380kmほどを駆け抜けて墓に着いたのが丁度お昼だった。
約六時間の長距離運転。弟夫婦と落ち合った後、まずは腹ごしらえ、、、、そして、草茫々になった墓掃除と墓参りの後、お寺によって挨拶。
長野から岐阜県に入った平湯温泉は気温24℃と気持ちの良い気候だったが、草むしりの墓掃除では34℃の炎天下の作業、「これでは静岡と変わらんな」というのが感想。お陰で親不孝を承知で涼みを求めて宿近辺まで早々に引き返すことにした。
今夜の宿は、標高1,200m、北アルプス唯一の活火山焼岳の麓、登山口にある中尾温泉である。泊まるのは初めてであるが、まだ二十代の頃、焼岳に登る際は良く通過した所だけにかって知ったる土地である。
近くには、西穂高に登るロープウエイがあり、正面は錫丈岳と笠が岳、背面には煙をたなびかせる焼岳が眺められる場所にあり、50年位前には温泉が間欠泉のように蒸気を伴って吹き上げ、余った湯は道路に流して雪を消していたことも有るくらい湯量豊富な温泉であった。
しかし、ここまで来た時には、厚い雲に覆われてしまいロープウエイ乗り場まで行ったもののそのまま引き返して宿に入った。
宿は、外国の山小屋風の外観を持ち、内湯二つに露天風呂三つ、客は十六人なので何れも貸切風呂である。仕組みとしては、入り口にかかっている「入れます」という看板をひっくり返して「入っています」すれば良いだけ、、、
宿の主人曰く「内風呂に入る人はほとんどいません。少し待っていただければ、、、」とのことだった。
早速入らせてもらい、六時からの食事の後何もすることがないのと、久し振りの長距離運転で疲れたのとで、九時過ぎには床に入ってしまった。
.
今日の花。中尾温泉に咲く花
左、牡丹蔓(ボタンヅル)仙人草に良く似た花だが、葉が牡丹に似ているということからつけられた名前。集団になって咲く姿は白い雪のよう。 右、千手岩非(センジュガンピ)ナデシコ科の植物、といわれれば花の形が良く似ている、千手とは見つかった場所を言うらしい。ちょっと見には白いナデシコと見間違えそう。
| 固定リンク
« 法器草? | トップページ | 気力を削ぐお日様 »
コメント