因幡の白兎は
寒い北風が、トレーナーを突き抜けて行くので早足で歩いても汗かかかない。
今日は上空に雲がかかり風が強いため、耐寒温度が低いようだ。麻機沼に立っている蒲の穂は夕陽を浴びて右に左にと揺れ動き、種を散らし始めている。
神話では、大黒様が皮を剥かれた因幡の白兎に蒲の穂をつけて直すようにと教えたとあり、童謡にもなっている。
このときの、蒲の穂はどういう状態だったのかが話題になったことがある。一つには白兎と言うのは山兎だとする、冬毛で白くなっていたのだから、蒲の穂がはじけた今頃であり、兎の毛と良く似た状態なので皮膚に綿毛をつけて誤魔化しなさい。というもの。
一方、夏場の蒲の花粉は漢方薬で傷や火傷の薬なので、傷薬として勧めた。というものだったが白黒決着がつかなかった。なんせ神話だもんで、、、。
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今日は成人の日。街中は色とりどりの晴れ着が行き交っていたことと思う。人ごみ嫌いの自分としては街中に出て行くことはないが、今年の成人式は平成生まれの人たちになったようだが、大人しくなってきたのか、ひとっころのように荒れた成人式のニュースを聞いていない。
テレビでは、おもにスポーツ界や芸能界で活躍している、新成人を取り上げていたが、大学の進学率が高くなってからというもの、働いていない未成年者の割合が多くなって自立できていない人が多くなっている。
自分たちのころは、中卒、高卒で職につく人がほとんどで、毎年春になると就職列車のニュース映画があった時代であり、いま、自分たちの成人式のアルバムを開いてみると、和装の女性は一人もいない。つまり、みんな自前の衣装で出席していたようだ。
貧しい時代の成人式。でも、いまのように”勝ち組負け組み”という意識は無かったように思うし(自分が就職していたため、ほかに目が向かなかったのかもしれないが)
労働組合がしっかりしていた時のこと、臨時工はあったが、正規採用前の試用期間に似た所があり、何時切られるか分からない”派遣切り”に怯えることも無かった。もっとも、派遣会社そのものが無かったのだが。
それから約五十年。赤いべべ着た 可愛い成人、、、。君たちの未来はどうなるんだろう。
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生まれた時が 悪いのか
それとも俺が 悪いのか
、、、、、、、、
こんな歌が出来たのはそれから約十年ほどあと、山奥の企業城下町にいて結局社会の暗部を見ていなかったのだろうか。
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