道もゆかさず
朝九時ころ、突然雨が降ってきて、それまで蒸し暑かった気温が一気に下がったのが分かった。やはり秋はそこまで来ているのだ。
麻機沼の周りに繁茂している葛の花も暗い紫色をして咲き始めている。小さい秋を見つけた、というところか。
葛という字は読みようによっては”かずら”とも読めるところから、つたのある草の本家的といってもよいだろう。
この草、繁殖力が激しく、立ち木に巻きついて登り、一体の森を瞬く間に覆ってしまうのは見ていて恐ろしいものがあり、麻機沼の堤防上の散歩道も同様である。
古歌にこんなのがあって、中学で習ったが誰の作か今では忘れてしまった。
(七月に草刈したばかりだが、葛の成長力は旺盛で、人に踏まれながらも”道をゆかさず”とばかりに)
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まねきとめ つなぎとどめて秋の野の
尾花 葛花 道もゆかさず
また、高い木に登った大きな葉が風に揺れて裏側の白い部分が印象的なところから「裏見の草」と言われていたと言い、それが”恨み”に通じるとて歌に詠みこめられると言う話も聞いている。
そして、これはどうなのかな
葛の葉の 吹き返したる裏葉かな 高浜虚子
むかしから身近にあったため、人に利用されることが多く、葛根湯や葛湯、葛餅は大きな株の根からとった澱粉だし、今ではほとんど無くなったが、皮から作った葛布は掛川で今でもお土産用程度に作られている。
また、自分たちも使ったことがあるが、蔓を編んだ”ネコダ”はコケトリ(きのこ狩り)には欠かせなかったものだった。
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ベルリンで行われた国際陸上も女子マラソンを最後に終了した。
キャスターが嫌で男女のマラソン以外は、あまり見ることも無かったが、ニュース番組で見る限りでは100mと200mのウサインボルト選手に尽きるのではないかと思う。
中学校ぐらいまでの運動会ならいざ知らず、世界の強豪が集まってレースでよくあんなにも離してゴールできるものだと思う。
後続の選手が団子状態になって突っ込むのが従来の世界レベルのはず、おかげで、200m世界記録は「いくいく」なんていっぺんで覚えてしまった。でも、この記録もいつまでなのかな、、、。
また、男女マラソンで見た限りでは、アフリカ系の選手ののびのびとした走り方に見惚れていた。それに引き換え日本人選手の走り方はなんともチマチマして見栄えが悪い、何とか上位入賞はしたものの、あの走り方はいま流行の省エネ走法とでも言うのだろうか。
陸連とかコーチの指導が行き届いて、みんな同じ型にはまった走りをしているように見えて仕様が無い。この調子では他の競技も同様だと思うが、、、、もっと個人の特色を生かした走り方では駄目なのだろうか。
むかし、人間機関車と言われたザトベックとまでは行かないまでも、、、、。
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