ミストサウナの山(竜爪山)
富士見峠から先のなだらかな尾根道は、二十㍍ほどしか先が見えない。
杉の植林の間を水っ気の多い霧がただよいミストサウナに入ったように上着を濡らす。
今日は、久しぶりに晴れの天気予報も出て、朝方日も差したので先日来行ってみようと思っていた竜爪山の”狐の剃刀”を見に出かけることにした。
先月の大谷崩れの失敗ですこし体力に自信をなくしていたので、今回は穂積神社まで車が上がらなければ断念する積りで行ったが、農道のほうは何の障害もなく上れたので、七時半には到着することが出来た。
穂積神社に到着すれば、先客のトラックがいて挨拶をされたので、しばらく話す。聞けばこのお宮さんの鳥居などを建てた石工さんで今日は神前の灯篭の先端が昨日の地震で転げ落ちたので修復したところだと言う。
しばらく話をした後、支度をして登りだす。道はところどころ雨による出水のため荒れてはいるがしっかりついており約40分で目的地に着く。
着いてみてしばらくは呆然、花の盛りは過ぎていたがそれよりも雨に打たれてほとんどの花がうつむいてしまい、例年に比べると花の数が少ない感じである。例えは悪いかもしれないが毛が薄くなって地肌の見える頭といったところ。
予想はしていたが、あきらめて帰ろうとしたら、地面を這う霧の中からゆったりとした感じでアゲハチョウがゆらゆらと躍り出てきて、あちこちの花につかまりながら移動していく。
これが、今日のハイライトなのかと思い、アゲハチョウが近くに来るよう念じて待てば、願いかなってカメラの射程距離に一瞬は入り飛び去る。
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それから、霧に包まれ歩くこと40分。勝手知ったる道なので、時おり現れる見覚えのある木や標識を目安に頂上に到着。
ここで次の目標のチャボホトトギスを探すが、まだ早いらしく数が少ない。
ようやく満開のものを写真にして、パソコンに入れて拡大してみると、光源が少なかったため手振れしたものが多く、使えるものはほんの少しであった。
帰りは、乗っ越しから穂積神社に下る道をとり、鉄製はしご段で滑らないよう慎重に下ってきた。
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