山滅ぼし
ヤマホロシ、漢字で書くと山保呂之と書くそうだが、一説によると繁殖力が強く山を滅ぼすという意味だと怖いことが書いてある。
花の格好から見ても分かるように茄子科の植物だけあって形は良く似ている。ただ、つる性の草だけあってずんずんと伸び先端の花が風に揺られて動いているさまはなんだか優雅な気分にさせる。
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静岡浅間神社のから始まる尾根を登っていくと平和観音をピークとし、その先は竜爪山に到るのだが、一番近い次のピークに賎機山城址がある。
標高173mのごく低い山で、その昔、今川氏が安倍川対岸の狩野氏の安倍城に対して作ったといわれている城であるが、いまでは、かすかに残る堀切あとと頂上に20m四角ほどの平らな場所が残っているだけである。
この小さな山が静岡の名前の発祥地になった、というのだが、どういう理由なのか分からないそうだ。
事の起こりは、明治政府が江戸時代使われていた駿河の府中、駿府を改めよといったことからはじまるそうだ。賎機山から賎ヶ丘にしようとしたが、賎という字は卑しいに通じるとて、同じ音の静とし、静岡としたとある。
平成の市町村合併で全国の地名が大きく変わってしまったが、明治維新のどさくさで同じようなことが起きていたと思うと面白いものを感じる。
さらに、この名前がしぶとく生き残り、明治九年に浜松県との統合により旧来の伊豆の国、駿河、遠江の国を併せた静岡県にまでなったのは、この城を守っていた侍には想像もできなかったに違いない。
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