しろばんばが飛びはじめた
未明から降り出した雨は大雨洪水注意報まで出るくらい激しく降ったが、十時頃から止み、昼には時々陽も当たるようになった。
この雨で、長野の峠は雪にでもなるかと、スタッドレスタイヤに履き替えたが、この作業中に汗をかいてしまった。どうも、南方から暖かい空気が入ってきているようだ。
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(捕まえて手に乗せた雪虫、燐粉が半分ほどになってしまった。肌の肌理から大きさが分かると思う)
三時過ぎになって散歩に出ることにし、麻機の農道を登ってみたが途中で雪虫が舞い飛んでいるのを見た。
この虫、見たところ5mmとはない小さな身体ながら、飛翔力が弱いので空中をふわふわと漂うように飛びその白っぽい衣のような綿毛が目立つので良く知られている。
井上靖の「しろばんば」はこの虫のことであり、井上靖が育った大正四~五年ころこの虫を子供たちが追っかけて捕まえた様子が書かれている。”しろばんば”とは、白い老婆のことをいうのであろう。と書いているが、飛ぶ力の弱さから子供の良い玩具とみなされてきた。
写真にしようと飛んでいる雪虫にレンズを向けるが、小さすぎて焦点が合わない。捕まえるとすぐに綿毛が取れて”しろばんば”らしからぬ姿になってしまう。
小説「しろばんば」にも、、、、夕方になると、その白い虫がどこからともなく現れて来ることを、さして不審に思っていなかった。夕方が来るからしろばんば出てくるのか、しろばんばが現れてくるので夕方になるのか、、、と書いているが、この虫は明るい日差しは苦手のようで木陰に多い。
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久しぶりにあがった農道でお巡りさんがバイクで上がってきていた。こんなところまで何しに来たのか、、、どうも、蜜柑の取り入れ時期になったので、その見回りではないかと思うが、さくらんぼを夜中に木からもぎ取ったり、倉庫の玄米が何トンも被害にあったりなど農家が苦労して作ったものの上前をはねていく輩がいるようで、警戒に来たみたいだった。
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