瓜や茄子の花ざかり
高い山から谷底みればよ~
瓜やなすびぃ~の 花盛りよ~
あれもよいよいよい
これもよいよいよい
故里の祭りは、春祭り。神輿の出御は白丁にわらじ掛けの氏子によって静々と担ぎだされるが、町内あちこちでお神酒をふるまわれ、夕刻になって還御の時には白丁も足元定かでなくなり、右往左往しながらお宮さんに戻る。
そのとき歌われるのがこの歌で、高張り提灯に囲まれた神輿を中にして、だんだんと近づいてくるのを石垣の上に座って待つのが楽しみだった。
酔っ払った訛声のこの歌、それまで、飛騨の一部だけで歌われているものとおもっていたが、最近になって、木曽のほうでは祝い歌につかわれ、紀州のほうでも歌われていると聞いたときは、少しガッカリした。
たしかに、春祭りの頃には瓜も茄子も花を咲かせる処ではない。しかし、自分たちの専用の歌にしていたかった。
どうも、この歌は、明治の初め頃全国的に普及した形跡があるようで、初期の流行歌と言った感じがあるのかも知れない。
余談になるが、神田明神の神輿が少し前までは、”わっしょいわっしょい”とかついだものだったのが、近年”そいやそいや”に変わった。
これは、神輿を担ぐのが趣味の連中が作り出した担ぎかたで、美空ひばりの「お祭りマンボ」の頃は「何を言ってもわっしょいしょい」だったので、よそ者が来て囃し言葉を変えたらしい。
そしたら、若い人は、そのほうがカッコイイと思ったか、静岡の神輿もそういう担ぎ方に変わってきているが、、、自分の感覚としてはあんなに騒々しいのは、神様としてどう感じているのか、、、。
神様に畏敬の念を持たずに、それを利用して自分らが楽しんでいる連中だから、神輿の担ぎ棒の上に載って、神様に尻を向けるに及んで、ひんしゅくを買い神輿の出御を取りやめたこともあったが、、、その意味はわからなかったらしい。
| 固定リンク
コメント