瘤とり爺さんの捨てた瘤
朝方のむしむしする暑さに目を覚ませば、昨夜の真ん丸い月も雲に絡めとられて、雲のいずこにあるか分からない状態になっている。
天気予報は、間もなく雨が降るということだったので、その前に散歩へと向かった。いままでなら太陽が目を覚ます時間だが、今日はやけに暗い。
今にも降るかと思われる、空模様なので近回りの道をとりいつでも帰られる場所を周回すれば、潅木の下に直径20cmほどのなにやら白い珠が点々としているのを見つけた。
「また、誰かが塵を捨てたのかな」と思い、目を凝らせばどうも鬼フスベというキノコらしいと見た。近寄って持ち上げてみれば、キノコにしてはずっしりとした重量感がある。
ひさしぶり、静岡でこれを見たのは初めてである。「こんな所にも出来るのか」と言う感がしきり、、、、。
”ふすべ”とは「贅」と難しい字を書くが、瘤の古語である。
つまり、大きなこぶと言ったところか。子供の頃、「瘤取り爺さんが鬼にとってもらった瘤」だと冗談半分に聞いたことがあるがこんな大きいものを頬っぺたにくっつていてはさぞ不住だったに違いない。
このキノコは、ホコリタケの仲間で、白いうちは食べられると聞いて、一度食べてみたことがあるが、こりこりとした食感ではあったがあまり美味いとは思わなかった。
あとで聞けば、皮をむいて薄く切り、唐辛子やニンニクで味付けしてバターいためになどにすると良いそうで、なんだか面倒くさい調理法だと言うことがわかった。
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いま、日中関係は尖閣島付近で操業していたらしい中国の漁船拿捕事件で険悪になっている。海上保安庁の言うとおりだとすると、中国の言いがかりになるのだが、中国のほうは面子に欠けて引けないらしく声高に世界にアピールしている。
それに対して、日本政府は冷静に問題処理するためとしてほとんど沈黙を守っている。しかし、この辺で考えなくてはならないのは世界の常識として、日本も声高に自国の正当性を発表しなければ、世界の目として「悪しき沈黙}だと見られかねないのである。
とにかく自己主張の下手な日本は国際交渉でいつも損をしていることぐらい外務省の幹部は知っているはず、、、
麻薬問題で四人が死刑になったときも、そんなに抗議をしてこなかったし、アメリカ軍の基地問題にしても言いなり外交を続けてきた。
自分は、決して右翼的感覚でものを行っている積りはないが、日本の政府や外交官の交渉術にはあきれ果てている。
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