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2010年10月26日 (火)

麓の椎の実は

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舗装された地面に椎の実が落ちこぼれ、自動車のタイヤに踏まれたようで中味が白い粉になって散らばっている。

山では、どんぐりが不作で熊が市街地にまで出てくるこのごろでは、山の動物が涎をたらして眺めているかもしれない。

孫が、保育園に通っていた頃は、大きな袋を下げて椎の実を拾ったものだが、このごろでは拾われた形跡がない。

木の上には、皮が弾けて中のどんぐりが顔を出しているのが見受けられる。この実は、スダジイという木であろう。

同じどんぐりでも、煮ても焼いても灰汁が強くて食べられない水楢のようなどんぐりもあるが、このスダジイのように茶黒い皮をむけばそのままでも食べられるものもあり、むかしは重要な食料だったらしい。

のぼるべき 頼りなき身は 木のもとに

      しいを拾いて 世を渡るかな

源の頼政がこの歌で、当時では破格の三位に昇進した歌として知られている。

大極殿で天皇を悩ませていた鵺(ヌエ)を退治したことで有名な頼政も殿上には上げれない身分だったが、平治の乱で政権を掌握した清盛におべっかを使いようやく手に入れた三位とは、本来公卿でなければつけない位で、殿上人であった。

後の世の戦国時代には好き勝手に官名を自称したが、平安時代中期まではとても名乗れる位ではなかったことだろう。

それにしても、親戚を滅ぼし引き上げてもらった殿上人の座り心地はいかがなものだったろうか。

数年後、清盛の専制に不満を募らせ、戦いを挑んで破れたのが、頼朝らが挙兵するきっかけとなったのが、せめての罪滅ぼしか。それとも、そんな時代が来るとは思いもしていなかったかもしれない。

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