銀杏の木に下で
紅葉の代表が紅葉なら、黄葉の代表は銀杏にとどめをさす。
日の光を反射して、輝くように光る木の下に立って見上げれば、明るい黄色に包まれて、一種の幸福感を感じる。
寒気触れた部分から黄葉がはじまり、次第に幹に近い部分に黄ばみが進行する。外周は輝く黄色なのに、緑色を少し残した葉の間を縫って、風も無いのにひとひら、そしてまたひとひらと舞い落ちる扇形の落ち葉。
銀杏は中国に残っていた木が世界に広がったため各地にあるが、仲間の木はなく、一属一種の木で、中国語で”銀の杏” つまり、ギンのアンズが日本語でギンナンと呼ばれるようになった始めとか、、、、、、、
ほかに、葉の形が鴨の足に似ているところから鴨脚とか、寿命が長いところから公孫樹などと言われている。
銀の杏も熟れてくると黄色くなって地表に落ちてくるが、その匂いはたまらない。
子供の頃、大風が吹くと雨のようにぼたぼたと落ちているのを、火挟みで挟み取り、袋に入れて持ち帰ったが後始末は母親任せで傍に寄らなかった。
しかし、食べる段になると拾ってきた権利を主張し、殻を金槌でたたいて傷つけたものを囲炉裏の灰の中に入れて焼けるのを待った。
ときどき、傷つけようが足りなくて、灰のなかで弾けるさまは、猿蟹合戦もかくやと思わせるものがあり、後ろにひっくり返ったのも今は遠い思い出ののなかに埋没して行きつつある。
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コメント
慶さん
何処の家も子供が多かった時代。
じいちゃんのいる本家の囲炉裏の周りは賑やかでしたね。
煙い囲炉裏の灰のなかには、栗や銀杏が、火の合間に立てられた串に刺した川魚は大人の酒の肴、十能の上には鍋があったり鉄瓶がチンチン湯を沸かしていたり、、、その周りで大人の話に耳を傾けているが何を話しているか意味がわからなくて、、、、、など
慶さんも囲炉裏の思い出が沢山あるようで、、、、幸せです。
投稿: オラケタル | 2010年12月 6日 (月) 13時56分
真っ赤な紅葉もいいですけれど、イチョウの木の真っ黄色もいいですね。ギンナンも懐かしいです。おじいちゃんが囲炉裏で炒ってくれましたがなかなか子どもの口までは回ってこなくって、そのうちぽんと爆ぜて、飛んできたりして、びっくりするやら怖いやらでした。待ち遠しいような、でも、いつ爆ぜるかはらはらしたり、じじの長々のお酒に子どもたちは黙ってつきあってました。というか、囲炉裏の中のもののおこぼれを待っていたんですけどね。そのおこぼれもやはり長子の孫からですから、慶まではなかなかね~。特に男の子ばかりの従妹で唯一の女児だと、一番最後ですからね。女の子はお手伝い!なんて途中で呼ばれたりしてね。でも、囲炉裏の中は栗なんかもあったから、何が出てくるか楽しみでした。
投稿: 慶 | 2010年12月 3日 (金) 22時24分