マイナス10度の世界
.ウインドーの塵を中心にして広がる氷の結晶、朝型には全てが繋がって一面真っ白になる
長野へ出かける前にインターネットで最大の難所と思っている野辺山の天気を調べたところ、あさがたの最低気温がマイナス16度と出ていたので、一番暖かくなると思われる時間帯に通ることにした。
しかし、十一時過ぎ、標高1,400m近くの最高点に到達した時、温度計を見たらマイナス10度であり、予想より5度ほど低くでていた。
そんな中でも塩化カルシュームを撒いているらしく、水気のある部分では前のトラックが跳ね上げる飛沫がフロントガラスにかかり視界が気になる。
ウオッシャー液で前面ガラスを拭くと、右側によった泥水が一瞬にして凍り、薄茶色の柱が出来、再度動かしたところ、ウオッシャー液が凍ったらしく水が出ない。
気温マイナス10度に加え、風を切って走るフロントの表面温度はどのくらいだろうか。
「しまった!、昨日、自動車屋に行ったときチェーンは用意したのだけど、寒冷地用のウオッシャー液まで気が回らなかったわい」
といっても、後の祭り。このトラックのあとをついて走れば、終いには前方が見えなくなってしまうと、思い切って追い越した。
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幸いにして以後は順調に進み、お通夜の合間に眠気を取ろうと外に出れば瞬く星の数は静岡とは桁違いに多いものの、子供ころ見た星、アンデス山中で見た星のには遠く及ばない。
文明とは、こんな所にも影響を及ぼしているものだとおもいながら、首を後ろにそらしているとブルルルッと震えが背中を走り、いそいで戻る。
自動車のガラスには細かい塵を中心にして氷の結晶が発達を初め、星のような文様を見せていたが、朝がたには前面結氷し一面真っ白に凍り付いていた。
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