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2011年2月28日 (月)

桃の花に無情の、、、

021 .

桃の節句にあわせて咲き揃おうとしていた花に無情の雨が、、、

三寒四温の季節の寒の部分に当たるのか、久しぶりの小寒い雨風が一日中振り込め散歩に出る機会を奪っている。

庭先には、餌が無いのかずぶ濡れのヒヨドリやメジロが蜜柑をついばみに来ては飛び去るが、すぐに新手の小鳥がやってきて餌を探して回る。

そんな雨にもめげず、といえばカッコイイがとにかく一日中家の中にいると気分が滅入るので傘をさして近回りの散歩。と、、、こんなときには人は来ないとばかり、カルガモが我がもの顔で歩き回っている。

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雨に閉じ込められてニュージランドの放送を見ていたら、つい、五十余年前の状況に浸り込んでいる自分に気がついた。

そのころ、鉱山では毎年のようにいろいろな事故で怪我はもとより死者が出ていた。そして、大きな事故が起きるとなんとなく雰囲気で伝わってくるものがあり、その時も重苦しい雰囲気が自分のいた独身者の寮にも伝わり、重苦しい気持ちで坑口のある方向を見つめていた。

しばらくして、同じ独身寮の自分のより二つ年上の上級生が、落盤事故で亡くなったとの知らせが入った。二人作業で親方のすぐ後ろを歩いていたら、2トンほどの岩が天磐から落ちてきて押しつぶされるようにして亡くなったそうで、前に歩いていた親方は間一髪で無傷だったそうだ。

翌日お通夜が行われたが、その土地ではお通夜の晩は参列者全員が一時間半ほどかけて、御詠歌を歌うことになっていたがそのあいだじゅう、亡くなった彼の母親が「あれは、わしの子ではない、わしの子はあんなに黒くない、人違いだろう」といって息子の死を受け入れられず、嘆く声が数十人で唱えるご詠歌にも消されることなく聞こえていたのを今でも憶えている。

彼の父親は早くに無くなっていてやっとここまで育てた子であると同時に、自分にとっては同じ学校の二級先輩という間柄であり、、、

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ニュージランドの地震から今日で一週間になるという。国際基準で犠牲者の発表は遅れ、148人の遺体に対して身元が判明した人は八人でその中には日本人はいないという。

相当、遺体が傷ついているのか、間違えてほかの人の遺体を渡してはならないということであろう。ことは分かる。しかし、いままでの日本で起きた事故に比べて、格段に遅いことに関係者は戸惑っている。

そして、あまり損傷が激しければ、「あれは自分の子供で無い」と嘆く親の声が聞こえそうだとダブってしまう。行方不明者の年のころも自分の二級先輩だった彼の年とあまり違わないことも関係したのか、、、雨は気を滅入らせる。

新聞は最近プライバシーとかで発表しなくなった氏名などを、いつになく行方不明者の顔写真を乗せている。

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