月は西
与謝蕪村の有名な句に菜の花や 月は東に 日は西に というのがあり、春の夕方、西の空に日が沈むころ、東の空に朧月が昇ってくる情景をうたったものだが、今朝の状況はまったくその反対である。
朝起きてみると、窓から十九日の半欠けの月が雲ひとつない空に浮かんでいる。
こういう景色はどう歌ったらよいのだろうか。「菜の花や月は西に 日は東」なのだが字余りに加えて落ち着きが悪い。
しかも、朝の冷気は雲ひとつない空をすっきりとさせすぎている。
日の出までにはまだ少し間があるので、大急ぎで菜の花が咲いている場所に行き写してみたが、焦点距離に違いが有りすぎてうまく行かない。
ようやく写し終え、放射冷却で霜が一面降りた田んぼの間を歩けば、ホトケノザが葉に霜を乗せながらもけなげに咲いている。
折からの日の出に赤く染められながら霜を溶かしていく様子を見れば、昨日まで悪口を言っていた花が妙に美しい花に見えてくるから不思議である。
そして、ここまで来たのならとばかり流通センターまで足を伸ばせば、沼に立ち込めた霧の中に鵜が泳ぎ、自分の気配を感じた鷺が警戒の鳴き声とともに霧に溶け込んでいく、、、。
日の光が当たるまでの短い時間、、、霧は次第に雲散霧消、、、、、、、世はこともなく今日の一日が始まる。
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霧に溶け込む鷺
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コメント
こんにちは~
鵜の首出しと・・・
鷺が霧の中へ溶け込んでゆく姿(笑)
確かに拝見いたしました♪
ありがとうございます。
ではまたお邪魔いたします。
投稿: ピカッとサリー | 2011年2月24日 (木) 16時26分
ピカッとサリーさん
霧が立ち昇る沼地の歩道を歩いていると気が休まるのはどういうことからでしょうね。
気温は、霜が降りていることから分かるように、マイナス温度だと思いますが、寒さはそれほど感じません。
自然界ですから杓子定規の当てはまる世界ではないのですが、、、、これがまあせっかちで、、、
なを、写真の鳥は鵜ですので、霧に溶け込む鷺の写真も一枚追加します。
投稿: オラケタル | 2011年2月23日 (水) 22時05分
こんばんわ~
月と菜の花字あまりでも落ち着き悪くとも・・・
いい写真です♪
世の中しゃくし定規に生きることもなし(笑)
ほのぼのとどこで何が起ころうと月は登り、月は沈む
不思議な感じがします。
鷺が霧の中でそしてあっという間に今日は明日へと時間は過ぎてゆきますネ♪
この素敵な一瞬を霧と鷺しっかりと見せていただきありがとうございます。(ペコリ)
投稿: ピカッとサリー | 2011年2月23日 (水) 00時20分