花いかだ
月初めに咲き出した桃の花も役目を終えたかのようにハラハラと散っていき用水路に浮かぶ。
長い間、樹上にあって受精のため虫を誘う役目を終えたとはいえ、一昨日からの雨風にうたれて、いまは散りゆく身となって枝を離れる。
水路から見た、元の枝は水底に影を写しているが、見上げれば、はるかに高く手を伸ばしても、、、、、、、、、。
無常の風と流れに身を任せ、元いた枝に別れの言葉を告げながら、一枚一枚の花びらが水に浮かぶ小枝などに堰き止められ固まって花いかだを作る。
そのさまは、寂しさのあまり身の回りにいた同じような境遇の者たちが、身を寄せ合っているかのような印象を持たせる。
水の浮かんで流れる花いかだ、その色香を失わなわないで、あざやかに輝くほど、ものの哀れを感じてしまうのは、、、、、、、、
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コメント
おばさま
お褒めをいただきありがとうございます。
わたしが、もっと詩作心があれば、と思うこのごろですので、あまり褒められると、、、、、
とにかく、花びらが流れて行くのさえ人生にあわせてしまうのは年寄りのたわごとです。
まだ色艶もよく元気なのに定年で会社を辞めなければならない人を連想して書いてみました。
投稿: オラケタル | 2011年3月24日 (木) 21時33分
UPも勿論素晴らしいですが、私はいつもながらの
美しい文章に感銘を覚えます。
無常の風と流れに・・・・・・以下
特に好きな綴りです。
投稿: おばさん | 2011年3月24日 (木) 11時21分