貴方を待っています
キランソウ。花びらの形に特徴があり、なんだかもろ手を挙げて春を謳歌しているようにも見えるが、別名を「地獄の釜の蓋」などというおどろおどろしい名前を持つ花だと前に書いたことがある。
乾いた地面や畑の隅などに生えている草で、地面を這って覆い隠すように広がっている所から名付けらたようだが、キランソウのキは古語で紫を指し、ランは藍色を指すんだといわれれば、花の色をそのまま言っただけじゃないと言われそう。
しかし、キランという名前がその後一人歩きして、金襴小草となると、織物の金襴に似ているからと言われて、、、、何度も改名させられてきた。
花言葉を見たら、「貴方を待っています」と言うのがあったが、これを可愛らしいと見るか、閻魔様が言ったと見るかで180度違う印象になる。
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太鼓の音が百段の石段の上の木陰から聞こえてきて間もなく、笙、ヒチリキ、横笛の神楽に先導されて、木花咲耶姫が黄色い衣装の仕丁が担ぐ神輿に乗せられて静々と降ってきた。
昨日の夕方、同じ石段を登り、一年ぶりに麓山神社に住まう大山祇命がその褄に「貴方をまっています」と声をかけて実現した逢瀬。
そして、瞬く間に過ぎた、一夜の契りの後に名残惜しげに降ってきた。
静岡浅間神社の例大祭廿日会祭が例年に比べて規模を縮小し、神事のみを行うことで開催していた。
境内には、いつものような露天商もいなければ人ごみもなく自粛ムード一色、僅かな人しか集まっていない。
最近では稀なことなんだろうけど、これも将来の語り草になっても慣例化して欲しくない光景だと思いながら夕暮れが始まった道を帰ってきた。
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