国の名を冠した花 シモツケ
昨日登った真富士山の山頂にシモツケの花が咲いていた。
五弁の濃いピンクの花を密集させて咲いているさまは、最近園芸品種として庭に咲いている同じ花よりきれいに見えるのはこちらの思い込みであろう。
シモツケとは漢字で下野と書き、平安時代以前から歌に読み込まれるなどしてしられていたが、名前の通り茨木県の古名であり、そこで見つかったとされたところから国の名が冠せられた珍しい花である。
よく似た花にシモツケソウと言うのがある(写真、左)が、字の通りこちらは草でありシモツケは小さいながら木である。
静岡では、この山以外にも愛鷹山などにも自生している。自生地は冬になると雪も降る高冷地であるがかなり厳しい環境の中でも育つところを見ると花に似合わず強い植物なのであろう。
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.真富士山は、第一、第二という二つの頂上を持ち、その距離は2kmほども離れているので、これを一つの山と見るのは少しおかしいと思うが、地元の人がそう名付けたのなら仕様が無い。
また、第二のほうが第一より60mほど標高が高く二等三角点をもっているが、第一には無い。
いずれを比べても標高1,401mの第二のほうが優勢なような気がするが、この分け方はどうなんだろう。
これは、自分の想像だが麓から見たとき第二は山影に隠れ、第一のほうが目立つた目だったためにこうなったのではないかと思う。
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先日、テレビを見ていたら劔岳に3等三角点が2,004年になってようやく設置されたと報じていた。
日本有数の高山に三角点が無かったことは、新田次郎の「点の記」で知ったことだが、昭和30年代(二十代の頃)あの山に何度も登ったときには気にもしていなかったことだった。
劒岳(むかしはこの字を使った)明治四十年、参謀本部の測量官柴崎芳太郎が劒岳に登り三角点をおこうとしたが果たせなかった。
その間のいきさつを書いたのが「点の記」であったのだが、そのとき剱岳の標高を2,998,6mとしていたが、その後の航空調査などで一時は3,003mに変更されたこともあり、自分らが登ったときはその数字だったように覚えている。
ところが、2,004年、三角点を設置しGPSによる調査の結果2,998mになったのだが、明治の測量地点は、僅か20センチほどの誤差しかないことが分かった。
あの当時、全てを人力で資材を担ぎ行った、トランシットや平板測量で出した数字なのだが、よくそこまでの精度が出せたものである。
学校の授業で、初測量の精度が150分の1だった自分から見れば人間の領域を跳び越して神業としか言いようが無い数字を明治の人が出していたのだ。
敬服
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