ランデブーに水を差す
青々として勢いを増してきた田んぼの中に赤いものが見えたので境界杭かなと思いながらもカメラのレンズで引き寄せてみた。
すると、ゆらりと動き出したので、雄の雉の頭部だということが分かった。
見つけてカメラを取り出して覗くまでの間ちっとも動かないでいたので、以外だった。しかし、向こうはその間中こちらを様子見していたのだった。
動かなかった理由は、ランデブー(いまでは古い言葉になってしまった)の真っ最中だったことにある。「ようよう ご両人」と古臭い言葉で水を差せば、気まずそうにこちらを向いたが、すぐに十月の鹿。
大体この時期、草木が茂るので”声はすれども姿は見えず”であり、見えたとすれば、雛を連れた雌鳥が急ぎ足に道を横切ったりする頃なので、今頃つがいでいるのは珍しい。
カメラを向けたことにより、あちらも人間が覗きをしていることを確認した様子。雄雉は「俺が責任を取る!」といわんばかりに、稲の上に上半身をさらけ出して注意を一身に引き受け田んぼの中をあちこちと動き回り、雌が藪に入ったのを見届けて後に続いた。
それにしても、今年はこれで何度目になるか、雉の当たり年といってよいほど見かける。
そして、雉とカワセミはどんなに写真があってもレンズを向けてしまうのは、どうしてだろうか。
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