朝は朝星
むかしこんな言葉があった。
「朝は朝星 夜は夜星をいただいて働く」 労働基準法もなかったころ。夜が明ける前から動き出し、仕事を終えて帰るときには星が明かりの中、と言う働き者を言った。
耕運機も田植え機も無く、鋤鍬で田を耕した百姓にもそういわれた人がいて、小原庄助さんや二宮金次郎みたいになれた人ごく僅かいただろうが、大半は食うや食わずのままで生涯を閉じている。
自分の先祖も小作ではなかったが、高冷地で戦後まで米も出来ない土地にしがみついて代代生き永らえてきた家柄の分家である。
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今朝も日中は暑くなるかもしれないという予想の下、早朝散歩に出かけた。
日の出時間は五時少し前だが、さらにその時間の少し前朝焼けに染まる空の下、ヒルガオの花の蜜を集めにミツバチが来ていた。
それも、後ろ足にはすでに花粉玉を付けているところを見ると、巣箱を離れたのは何時のころだろう。
空には、低い雲が有ったので朝星は見えなく暗い空だったに違いない。
人に横取りされるとも知らないで蜜や花粉をせっせと集める。
働き者と言われる日本人同様、蜜蜂や蟻は全てがこんなに働くものばかりでなく、二割ほどの怠け者がいると聞く中で、朝星で働く蜜蜂をみると、その健気なさが愛おしく見えてくる。
「何のため、そんなに働いて生涯を終えるのか。」
そういえば”名も無く貧しく美しく”って映画の筋書きはどうだったのか、、、、
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