射光を透き通らせて
日の暮れるのも早くなり、三時過ぎれば日脚は長くなって、遅咲きのハイビスカスを真っ赤に染めていく。
斜めの光線は赤色がさらに強くなるようで、薄い花びらを透き通らせて輝くさまは、情熱のバラを上回る赤色に燃えている。
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先日無くなった立川談志の追悼番組を見た。
毒舌を吐いたりなどで何度も批判を受けた人だったが、落語のうまい人だった。
ただ、この毒舌も、その信念に裏打ちされてと言うか、世の中の現象を疑ってみると言うことから出てきていることが多いそうで、その原点は先の大戦にあると言う。
昭和11年生まれだと言うから、戦争に負けたときは小学校3年生くらいだったとようだが、それまで正しい戦い(聖戦)だと思っていたものが、一夜にして悪い戦いだったと言われたことにあると言う。
それ以来、世間が正論だとか、美談だとか優しいという言葉の裏には何があるか疑ってかかるようになってのことだとそうだ。
このことには、彼より三年ほど遅く生まれた自分にもよく分かることであり、自分も世の中をはすかいに見る癖がある。
たとえば、原発ひとつとっても、政府と電力会社が安全、安心を歌っても納得できなかったし、美談の後ろに何か隠しているもの無いか見る癖がある。
世の中の体制に従わないものを爪弾きする世の中にあって、覚めた見方をするものは邪魔で仕方が無いのだろうが、、、、
射光がハイビスカスの花を透き通らせるよう監視の目を怠らないと後になって正反対の結論が出てくることになる。
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