梅の花越し朧月
明け方に近い夜の空に半月がかかっている。久しぶりに見たような感じがする月だが、今日は旧暦の二月十九日の月。
日本人ほど、月にいろいろな名前をつけた国民はいないのではないだろうか。
三日月、満月、半月は太陰暦を使用した国なら、名づけているかもしれないが、十五日を望月といい、十六日を十六夜とよぶ、、、、。
ついでに順を追っていけば、十七日は月の出をまだかまだかと座敷で立って待つから「立ち待ち月」。十八日は座って待つため「居待ちの月」そして次は待つのに疲れて寝て待つため「寝待の月」
だんだんつきの出る時間が遅くなり、夜更けにならないと出ない二十日の月は「更け待ちの月」
そして、二十三夜の月は、真夜中に出るため二十三夜待ちといって、酒肴を凝らしながら出てくる月を勢至菩薩に見立てて待った。
またこのころがちょうど下弦の半月であるため「弓張月」ともいい、二十六夜になると三日月の反対向きになり、真夜中過ぎて出てくることから「有明の月」とも呼んだ。
このほかにも、二夜の月というのは八月と九月の中秋の名月をいい、夕月とか幻月なんて言葉もあり、分からないのは「雨夜の月」と言うのはあの辺にあるかなという梅雨時の想像の月を言うらしいこと、、、
つまり、この想像の月,幻の月が幽霊、妖怪などの怪しげな世界”雨月物語”を生み出したのだろうか。
まさに月見る月はおおけれど、、、、梅の花越しに見る春の朧月夜もまた格別であろう。
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