金環食に
今日は朝から大天体ショーがあるというので、麻機の草の生えた農道に言ってみた。
じつは、前々からスーパーで遮光眼鏡を売っていたのは知っていたのだが、五月二十一日に空が晴れているかどうか分からないので、買っても使い道のない代物になるんではないかと、買わないでいた。
それが、どうやら薄いながら雲を通して見られるんじゃないかと言う情勢になったため、急遽遮光グラスを作ることなった。
まず、物置からガラスの破片をもって来て、蝋燭の煤を付けることにした。
これは、小学生の頃、カンテラの火から出る煤で黒くしたものを作った経験からである。 (後で考えたら、マジックインクの黒でも好かったかな、なんて思ったが、そのときはこれしか思い浮かばなかったので、、、、)
舗装した道路では、車の邪魔になると選んだ未舗装の道は雑草が生い茂り、周りに人影もなし、何の気兼ねもなしにカメラを設置した。
しかし、空模様が次第に怪しくなる。高層の入道雲は微動だにしないのに、その下の雲は西から東にかなり早く流れ、焼津との境は黒い雲が次第に押し寄せてくる。
そして、一番下の雲は、東から西へと薄くたなびいている。なんだか、上空の空は複雑な動きを示しているようだ。
一瞬の晴れ間に
撮影ポイントに着いたときは既に1/3暗い欠けていることが分かっていたが、時折、黒い雲が太陽を隠し、なんともやきもきとさせるひと時が過ぎていく。
7時32分、予定通り完全の金環食を見ることが出来た。あたりは少し薄暗くなっていることが分かる。
周りの、風景がセピア色に近い色合いとなり、カラスも不安げに鉄パイプの先端で身動きをとめている。彼らにも何か異常を感じさせているのだろうか。
その間にも、何枚もシャッター切ってみ、その合間に、遮光ガラスを掲げてみる。
いままで、何回か日食を見てきたが、金環食と言うものははじめてである。
月は地球の周りを完全に同じ間隔で回っているのではないことがこれでよく分かる。そんなことを思いながら、薄雲越しの天体ショーを満喫させてもらった。
すぐ側の、新東名取り付け道路には信号で止められた車が波を打って走っている。この人たちは金環食どころではないのだろう。
なんだか申し訳ないような気持ちで、帰り道についた。
太陽のほうも、沢山の人にみつめられ疲れたのか、以後は布団をかぶったように終日顔を出すことなく長い一日を終えた。
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