愚か者の金
季節の変わり目なのか、今日の天気は「晴れときどき曇り所により雨」という、どんな天気にも当てはまる言葉がしっくりと来る空模様だった。
知り合いが、午後に来て言うには、安倍川左岸の畑で作業をしていたら、急に暗くなって激しく降り出し、これでは土が濡れて何にもできないと作業を中止し、桜トンネルをくぐって麻機に出たら地面がからからに乾いていた。
(まるで、川端康成ではないが「トンネルを抜けるとそこは雪国だった」をもじりたくなる)
「トンネル手前では、自動車のワイパーを最大に振っても前が見にくかったのにだよ」と言う。
自分たちも、その時間藤枝の山間部を走っていたが、道路が50~100m間隔でマダラ模様に濡れており、小規模の区間を激しく降らす、変な天気だったようだ。
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上の写真のものは、鉱物好きの人なら、大抵は持っているものと思うが、別名を”愚か者の金”といい、大きな石の間にばら撒いたように散らばっているのを見て金と間違えたことによるらしい。
自分の周りの人に見せると、大抵はびっくりして「何ですか、作り物ですか?」と聞かれるし、孫の一人に「じいじが死んだらお前さんにやるよ」と言ったら、「そんな高いものほかの孫が怒らないかね」と言ったことがある。
今では、その値打ちがわかってきたようで、、、、、、、
この鉱物の正体は、パイライトと言い、日本では黄鉄鉱の結晶である。
パイライトとと言う意味は、火打石と言う意味だそうで、鉄を人類が使い出す前には、この鉱物と石をたたき合わせて火花を散らし枯れ草などに火をつけたことがわかっているそうだ。
なにしろ、鉄と硫黄の化合物なので固くて重い。
この鉱石は、地中深いところに存在するガマと呼ばれる晶洞で採取してから、40年ほどになるので、酸化が進んでかなり色あせてきたが、いまだに素人衆を驚かせるほど輝いているし、黄鉄鉱と知っている人は結晶の大きさを褒める。
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”愚か者の金”と言う言葉を聴くと、むかし、金が本物かどうかを確かめるとき、歯で噛んで確かめたとも聞く。
純金は、柔らかい鉱物なのでそんな方法で確かめられるのか?(噛んだことが無いので知らない)とも思うが、不純物が入ると次第に硬くなる。
そのため、金時計などは傷がつくのを嫌って、18金と言うのを使ったが、これは、25%の混ぜ物をした金であり、むかしの質屋さんは目で見て判定するため、苦労したとか、、、
その伝統が残ってか、最近オリンピックで金メダルを齧って見せる人がいるが、なんだかこの光景を見ていると、、、、、
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”愚か者の金”と言う言葉を思い出すのは自分だけ、、、、。
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