じいじん家のさくらんぼ
昨夜の強い嵐に花びらを散らすと思っていたが、咲いたばかりだったため、花びらを散らすことなく朝を迎えており、ほっとした。
この木は、孫たちから「じいじん家のさくらんぼ」として、長年親しまれてきたのは、六月になると真っ赤な実を付けるためであり、色づき始めた頃からまだかまだかと催促されてきたきである。
ユスラウメ、漢字で書くと”梅桃”と書き、さくらんぼの”桜桃”とは少し違うが、高さ二メートルにも満たない低木のうえ、誰にも邪魔されず取り放題に実を摘めるのが嬉しかったらしい。
しかし「じいじん家のさくらんぼ」一番下の孫が中学生になってからは誰も摘むものがなくなり、昨年あたりから、じいじしか摘むものがいなくなった。
ことしも、雪をかぶったように花咲かせているが、ユスラウメには勤めが終わったことは知らない。
といって、こんなに懸命に咲いているのを排除するには忍びなく、今後は「じいじのさくらんぼ」となり、じいじとともに余生を過ごしていくことになる。
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