
夕方、と言っても四時過ぎであるが日の入りの早い山際の土地は急速に陽の光が衰え、寒気が忍び寄ってくる。
そんな時間になって、散歩に出たいと言う思いがつのり、当てどなく出かけた麻機沼はひと気も無く、静まり返っている。
空中には葦の穂から離れた綿毛が風花のようにゆったりと舞い散っており、その元になった沼の岸辺では葦と蒲の穂が沈み行く太陽を背景にして輪郭を燃え立たせている。
こんな場所で、何も考え悩むことも無く彷徨うのは至福のひと時と言ってよかろう。
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昨日から冬の土用に入ったのだが、夏の土用の丑の日みたいに大騒ぎすることは無い。
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