ひえ飯を食べる
ようやく咲き出した蝋梅と激しく降り注ぐ水っぽい雪(有東木にて)
今日は東海関東地方が大雪に見舞われて各地で交通関係がオオに乱れたようである。
静岡でも標高100mあまりの日本平までは白くなったようであるが、我が家の周りは終日雨が降り、雪の気配はまったく無かった。
先日来注文のあった法事用の蓮根を届けに安倍川を遡ってみたが、路肩近辺に雪を見たのが家から30kmほど上流であり、路上が白くなったのは梅が島の近辺、赤水の滝近くになってからだった。
その雪も、水分が多く、シャーベット状の雪とは名ばかりのもであった。
それでも、この雪を見にここまで車を走らせたのは、自分らも静岡人らしくなったのかなと思わんでもない。
前日に蓮根を届けに安倍川中流まで行くといったところ、有東木のそばを食べたいから連れて行ってという近所の人ともに、”うつろぎ”と言う地区の主婦がやっている店に行ったところ、この雪を予想してか定休日でもないのに「営業終了いたしました」と言う看板があり、それではと向かったのが梅が島だったが、ここでも空振り、結局、蓮根を届けた家の近くの「見月茶屋」に入って昼食を取った。
この店では、ふたりが暖かい蕎麦を注文し、自分はひえ飯を頼んだ。
ひえ飯とは、冷たいご飯でなく、後刻のひとつ稗が入ったご飯で、自分の父親の家では子供のころ米に混ぜて炊いていたものを食べたことがある。
泡よりさらに粒の小さい稗は、荒地や高地でも収穫が可能で、飛騨の高い高原に住む伯父の家では戦後の食糧難の時代まで作り続けてきた雑穀である。
この稗飯、暖かいうちは香ばしくて美味しいのだが、一旦冷えるとパラッパラになり、嚙んでも嚙んでも口の中で飛び跳ねて結局は味噌汁やお茶で流し込んで飲み込むと言うような代物。
当然消化のよいものではなかった。
しかし、最後に食べたのは中学生のころであり、それ以来口にしたことが無かったので注文してみたのだ。
出てきて物を見て驚いた、どこに稗があるのか分からないくらい少なく、、、、少し塩味で炊き上げてあった。
一口食べて「これでは、塩ご飯と変わらない」と言ったところ、「最近、稗が高くて入れられないのでは、、、」と一緒にいった人が言う。
「しかし、稗は作ろうと思えばどんなところでも栽培できるもんだぜ」と昔稗の畑を知っている自分はいう。
結局店の人に聞くことも無く、出てきたが、果たしてどうなんだろう。
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