車前草
オオバコのことを車前草ともいい、車や人、牛馬に踏みつけられてもしっかりと根を張って繁殖していく丈夫な花で、家の周りに生え出すと取っても取ってもと言う感じで始末に負えない雑草の代表でもある。
ただ、漢方薬として使うため、戦争中までこの草を掘って供出させられたことがあり、なかなか抜けない草を掘り出し、乾燥させるのを手伝った記憶がある。
そして、写真の花はそのオオバコの仲間でヘラオオバコという。名前の由来はオオバコの葉を細長くした形による。
原産は、ヨーロッパだというが、この草の実も繁殖力が強いそうで、今では全世界に繁茂している草になってしまった。
なんでも、この草の実を踏んづけた足で歩くとあちこちに種がついて、道を作るくらいなので、道に迷ったらこの草をたどれば人里に行き着くなんて話しもあるくらいである。
しかし、自分がこの草を目にしたのは、静岡に来てからだが、生まれ故郷はまだこの種をつけた人が来たことがなかったのか、、、、いや、見ても気がつかなかったのだろう。
「心 ここにあらずんば 見れども見えず、、」という言葉があるほどだから、、、
.
.
黒い雲が山の中腹までかかり、水墨山水のような朝景色を見ながら静岡を出る。
天気予報は、日中どこかで雨が降ると言うものだったので、気にはしていたが、何しろ名代の”晴れ男”を自認している自分にとっては、ここで名前に泥を塗るわけには行かない。
「晴れろ! 晴れろ!」と念じながら車を進めていくと、次第に雲が取れ晴れてきた。しかし、日差しが出れば出たで今度は暑くてたまらない。
とやくかく言ううちに、目的地の信濃の立科町に到着する。この二点を結ぶ道路はあちこちルートを変えては見たが、年に少なくとも四回は往復しているので、かなりの数になるはず、以前は六時間ほどかかっていたものだが、新東名が出来た昨今、4時間半にまで短縮し、中部縦貫道ができればどのくらいになるのだろうか。 もっともそれまで寿命が有ればの話だが、、、
今回の目的は名目的には連れ合いの同級会出席のためであるが、そのついでに四月に植えたジャガイモの追肥と草むしり、土かけを兼ねている、毎年の恒例行事の一つである。
午後三時過ぎ農作業はまだ半ばであったが、同級会は一時間弱はなれた上山田温泉と言うので、そこまで自動車で連れて行き、自分たちは別の宿を取る。
宿に入った途端、それまで堪えていたかのように雨が降り出した。
ありがたいような気持ちの一方で、まだやり残している畝があるので気にはなるが「大丈夫、俺らは晴れ男」を呪文のように唱えて寝床に入った。
| 固定リンク
コメント