水もしたたる
おかげで、夜中の寝苦しさも取れつい長寝をして日の出前には起きなくなった。もっとも明け方の空は雲が低く垂れ込め、雨も小粒なものが時折降るような天気だから、いつものように起きても外は暗い。
この雨っ気で年寄りの肌みたいにからからと乾いていた地面もしっとりとした潤いを取り戻してきた。
そろそろ秋野菜の種を撒かなければと思うが、その前に暑くて行けなかった畑の雑草を始末しなくてはなるまい。
と、言うことでポツポツとしずくが落ちてくる中草を抜きに畑に行ってきた。久しぶりの畑の雑草はしっかりと根を張り、「これでもか!」と両手に力を入れなければ抜けない。
一時間チョットで疲れ果て、「今日はこのくらいにしてやるわい!」と松竹新喜劇に出てくるやくざみたいな言葉を口にして帰ってきた。
安倍川の土手に咲くムクゲの花はこんな少ない雨を花びらにため、”水もしたたるいい女”とでも言わんばかりに微笑んでいた。
| 固定リンク
コメント