13,800円
久しぶりの夕焼けは西の空を真っ赤に染めたあと、次第に力を失っていった。
台風一過の後は澄み切った青空が広がるものかと思っていたが、先日の台風以来すっきりと晴れた日はなかった。
そして、今日も日中は雲の多い日ではあったが、夕方になって賎機山のその向こうで雲がなかったようでこのような染まり方をしたのだろう。
気温も時折ひんやりとした風が入るようになり、コスモスも映えてきた今日この頃、この夕焼けに似合う季節になってきた。
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今日は五十年前に東京でオリンピックの開会式が行なわれた日だそうだ。
その日を期してか、聖火台がクレーンによってしずしずと降ろされたとテレビは報じていた。
この聖火台に初めて火が入った日、自分はまだ二十四歳の青年であったが、人並みに今日より明日、明日より明後日がだんだんと良くなっていく感じがして、未来は明るいもののように思っていた。
このころ、フランク永井が”13,800円”と言う歌を歌っていた。
「もっこかつげや つるはしふるえ、、、、」と、当時は土木工事などにはまだ機械が入ってなく、もっぱら人力で工事が行われ、オリンピックのメーン会場をはじめ、諸施設は蟻んこが砂糖にたかるように人海戦術で行なわれたものである。
あれから五十年、家事仕事も盥から全自動洗濯機、薪を燃やす竈から、電器炊飯器と代わったように工事現場も人力に頼る仕事は減って、労働災害も減ってきた。
しかし、社会は固定化され、学校の成績で序列が決まった後、生涯その社会から抜け出せない格差社会になってしまった。
「昭和ブルース」に、生まれたときが悪いのか それとも俺が悪いのか、、、という歌詞が有るが、これも努力すれば、、と言う前提があっての歌詞なのだが、まるっきりこの通りだとすると、洒落にもならないと言うことになる。
貧しい暮らしをしていたときのほうが、希望に燃えていた。となると、今の繁栄って何なんだろう。
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コメント
岡崎在住様
そういう経験は、私も何度かしています。宗教もそうだと思いますが、根本には日本人が異質なのではないかと感じてしまったしだいです。
義理人情を重んじ、何事も横並びでほかの人と違うことはしたがらない日本人。
たいして、仕事は契約したこと以外にやらない、失敗や責任は見え見えでも人に押し付けようとする。
アメリカでも小さなうちから自己主張を通すため、話しの仕方など弁論に力を入れています。
それに対して、日本人はとにかく謝りなさい。正直に話しなさい、などと、教えています。結局は世界の人と対等に話しができる人は極わずかになっているのではないでしょうか。
人海戦術で面白かったのは、中国の重慶など奥地の空港で、飛行機から降ろした荷物を、沢山の人が群がって台車をロビーまで押していましたね。
機械を買うより人のほうが安いんだろうと見ていました。
投稿: オラケタル | 2014年10月12日 (日) 22時15分
インドの新工場立上げで何度も状況調査に行ったけど、そこにはジプシーという建設工事場所にテントを張って仕事するオバちゃん一族が必ずおったな。レンガをお盆に入れて頭上に載せて運ぶんや。インドは労働力豊富でいまだに人海戦術や。インドの今頃はDiwaliという正月を控え、お祈りの休日(Dussehra)があるんやが、ウチの社長が休日返上で出勤を命じたけど誰も出てこんかったな(笑)会社より宗教(ヒンズー教)が優先や。
投稿: 岡崎在住 | 2014年10月12日 (日) 10時30分