行方も定めぬ
風も無く穏やかな日和の中、白い綿毛が漂うように空を舞っている。
行方も定まらぬ白い綿毛は、道の脇に生えている蒲の穂から飛び出している。直系3cmほどのフランクフルトソーセージのような実が割れて、空に飛び出す瞬間を狙っているが、なかなか時宜を得た風が吹かず飛び出せない。
それでも、内側から押し出されるように綿毛が弾ければ、、、、ついに、祭りの屋台で売っている綿飴状にまで膨らんで、夕日を眺めていた。
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「毎日歩いていますか?」と、突然見知らぬ人から声をかけられた。
「ええ、ほぼ毎日この辺を、、、」と答えれば「どこか身体に具合の悪いところがありますか?」と再度の質問。「とくにこれと言ったところは無いんですがね」
「そうですか、そりゃ~えらいですね。この辺を歩いている人は、大抵医者から歩けって言われて、しぶしぶって人が多いんですよ。そういう私もそうなんですがね」
なんだか、太り気味の体形から減量を指示されて歩いていると見られたのだろうか、それとも歩き方がだらしなかったのか。
今日は久しぶりに長い距離を歩いた、行方も定めず行き当たりばったりの散歩は、帰り道が遠かった。
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